研究課題/領域番号 |
60430027
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
廣海 啓太郎 京都大学, 農学部, 教授 (50025425)
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研究分担者 |
赤坂 一之 京都大学, 理学部, 助教授 (50025368)
中谷 博 京都大学, 農学部, 助手 (00026577)
大西 正健 京都大学, 農学部, 助手 (90026576)
外村 辨一郎 京都大学, 農学部, 助教授 (20026545)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
23,200千円 (直接経費: 23,200千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1985年度: 15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
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キーワード | プロテアーゼ / アミノアミルtRNA合成酵素 / アミラーゼ / プロテアーゼインヒビター / 酵素一基質相互作用 / 蛍光滴定 / ストップトフロー / 核磁気共鳴 / アミノアシルtRNA合成酵素 / 酵素ー基質相互作用 / 核磁気共鳴法 / 蛍光滴定法 / 化学修飾 / 酵素-基質相互作用 / 誘導適合 / 酵素 / グルコアミラーゼ / 基質特異性 / 蛋白質蛍光 / プロテアーゼ・インヒビター / ストレプトミセス・ズブチリシン・インヒビター(SSI) |
研究概要 |
本研究は、酵素機能のうち基質に対する分子認識に焦点を絞り、吸収、蛍光、核磁気共鳴などの分光学的な手法を用いて、平衡論的及び速度論的に観測し、解析しようとするもので、約10種の酵素について、ほぼ満足すべき成果を挙げることができた。また、従来のものよりはるかに少ない試料量で、しかも同程度の性能を有するミクロストップトフロー装置の試作及び迅速な熱交換器を用いることにより、大巾な温度の上昇と下降の可能な温度ジャンプ装置の開発など、新しい方法論の開発に成功し、それぞれ幾種かの酵素について、その有用性を実証することができた。一方、速やかな化学修飾法の速度論的解析から、酵素活性部位のトリプトファン残基の存在状態とその役割を探究する方法を確立することができた。さらに、核磁気共鳴法により、蛋白質分子の"ゆらぎ"を探ると共に、これを目印として酵素と基質やアナログとの相互作用を究明するといった、動的な解析法も新たに確立した。酵素と基質または基質アナログとの相互作用は、両者の結合が一段階で生じるのでなく、まず、緩く結合した中間複合体を形成し、続いて特異的に強く結合した最終的な複合体が生じる、少なくとも二段階の機構が普遍的であることが、高速反応速度論的解析によって明らかとなった。この第二段階の一分子過程において、酵素分子の内部運動(ゆらぎ)が重要な役割を演じるものと考えられた。本研究を通して、酵素機能の動的な解析に関する戦略としては、微視的構造知見を得る諸方法の時間分解の向上が最も有効であり、X線回折、吸収と散乱の観測、磁気共鳴、振動スペクトルの時間分解は、各手法の適応対象について既に試みられつつある。また、分子運動や反応速度を低下させることにより、時間分割を容易にしようとする低温化学とか蛋白質工学の手法を活用するのが、今後、さらに有用な手段になっていくものと考えられる。
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