研究課題/領域番号 |
60430031
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
結晶学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
芦田 玉一 名大, 工学部, 教授 (10029936)
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研究分担者 |
田中 勲 北海道大学, 理学部, 助教授 (70093052)
山根 隆 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80030055)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
18,500千円 (直接経費: 18,500千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | ボーマン・バーク型インヒビターの結晶構造 / トリプシン・ボーマン・バーク型インヒビター複合体の結晶構造 / タンパク質の結晶構造 / ボーマン・バーク型インヒビター / インヒビターの結晶構造 / 蛋白質分解酵素 / ボーマンバーク型インヒビター / トリプシン阻害蛋白質 / 蛋白質結晶構造解析 / 結晶構造解析 / トリプシン・インヒビター複合体 |
研究概要 |
生物界に広く分布するセリン・プロテアーゼの機能を制御阻害するインヒビターのうち、ボーマン・バーク型インヒビターは豆類に多く分布し、その種の保存、発芽機構に関係している。アミノ酸60〜80の小さいタンパク質で、一次構造がよく似た二つのドメインがあり、それぞれ一つの阻害部位をもっている。S-S結合が7個も保存された位置にあり、疎水性側鎖が極めて少い等の特長をもっている。本研究ではあずきのインヒビターAB-【I】とトリプシンの複合体の結晶と、ピーナッツのA-【II】の結晶構造解析を行った。(1)AB-【I】・トリプシン複合体の2.3【A!°】解析:インヒビターについてはトリプシン阻害ドメインのみの構造が明らかになった。水140個を含めてR=0.20というよい結果が得られた。インヒビターの阻害活性部Lys26の前後数残基がトリプシンの活性中心と数本の水素結合及びvan der Waals結合で強い接触があり、安定な複合体の構造ができている。この構造が安定なために、加水分解反応の進行に必要な構造変化が起こるのが難かしいのがインヒビターである理由と考えられる。(2)ピーナツインヒビターA-【II】の解析:二つのドメインの立体構造はよく似ており、あずきのAB-【I】のトリプシン阻害ドメインのそれともよく似ている。この二つのドメインは2本のややフレキシブルなペプチド鎖で結ばれている。これがボーマン・バーク型のインヒビターの基本構造である。分子の長さは約45【A!°】、巾と高さはともに約15【A!°】である。阻害部位は分子の両端近くに位置している。現在さらに構造の精密化を進めている。 さらに数個の同類のインヒビター及びそのプロテアーゼとの複合体の結晶を得ており、さらに研究を発展させる計画である。
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