研究課題/領域番号 |
60440004
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
茅野 春雄 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (00012253)
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研究分担者 |
矢沢 道生 北海道大学, 理学部, 講師 (50101134)
高橋 興威 (高橋 信興威) 北海道大学, 農学部, 助教授 (40001432)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1988年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | トノサマバッタ / 長距離飛行 / リポホリン / アデイポキネティックホルモン / ジグリセリド / アポーIII / カルシウムイオン / 昆虫血液 / ソポホリン / アディポキネテイックホルモン / 混虫血液 / バッタ / AKH / カルシュム / アポIII / アポー【III】 / リピドトランスポート / Lipophorin / Adipokinetic hormone,糖タンパク質 |
研究概要 |
この研究の主要の目的は、昆虫の長距離飛行の分子的メカニズム、とくにリポホリンとアデイポキネティックホルモン(AKH)の関係を明かにすることにある。トノサマバッタにペプチドホルモンの一種であるAKHを注射すると、リポホリンによる脂肪体からのジグリセリド(DG)の積み込みが増大し、その結果、リポホリンの密度は1.21g/mlから1.065g/mlへ低下し、そのサイズは大となり、さらに分子量約2万のアポリポホリンーIII(アポーIII)が、新たにリポホリンに結合することを我々は先に明らかにした。しかしながら、この生体で観察されたリポホリンに対するAKHの作用を生体外で再現させることは、AKHのリポホリンに対する作用機構を解明するために、必須の研究である。本研究の主要部分はこのために計画された。そして、幾多の失敗のあと、最近に至って、漸く所期の目的を達成することができた。すなわち、精製されたリポホリンとアポーIIIを試験管内で、脂肪体とインキュベートするという基本的手法に様々の工夫を加え、上記のAKHによって誘導されるリポホリン分子の変化を、試験管内で完全に再現する実験システムを確立することができた。その結果、次のことが明らかとなった。1.リポホリンに対するAKHの作用には、脂肪体とCa^<2+>の存在が必須である。2.酸素の連続供給が必要である。3.リポホリン1分子に対して、最低9分子のアポーIIIの存在が必要である。 この再現系の確立によって、アポーIIIの役割りなどもふくめ、昆虫の長距離飛行の分子的メカニズムの解明は大きく前進するものと期待される。なお、上記の他に、リポホリンに関する研究成果として、1.リポホリン分子の自動凝集反応の発見、2.リポホリンのアポタンパク質ーI及びIIに結合する糖鎖構造の決定、3.アポーIIIの脂肪体における生合成などがある。
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