研究概要 |
マラチオン抵抗性トビイロウンカは合成ピレスロイドのフェンバレレートと逆相関交差抵抗性を示すことを明らかにした. 同様な関係は合成ピレスロイドのエトフェンプロックスにおいても認められた. ^<14>C-マラチオンを用いてマラチオン抵抗性機構を調べたところ, マラチオン抵抗性系統ては表皮透過性が低下しており, in vivoでの代謝能が高かった. また, ^<14>C-フェンバレレートを用いフェンバレレート抵抗性機構を調べたところ, 表皮透過性, in vivoでの代謝, 膜標品へのin vitroでの結合に抵抗性系統と感受性系統で違いが認められず, フェンバレレートの抵抗性機構については解明出来なかった. コナガのフェントエート抵抗性について, ^<14>C-フェントエートの表皮透過性と代謝を調べたところ, 抵抗性系統では感受性系統に比べ, 表皮透過性が低かったが, 代謝能には差が認められなかった. 抵抗性系統ではアセチルコリンエステラーゼのフェントエート・オクソンに対する感受性も低下していた. フェントエート抵抗性の遺伝様式を調べたところ, 常染色体上に存在する不完全優性の遺伝因子に支配されていると考えられた. コナガのフェンバレレート抵抗性機構について, ^<14>C-フェンバレレートを用い, 表皮透過性, 代謝を調べたところ, 抵抗性系統では表皮透過性が低く, 代謝能が高かった. また等毒量の^<14>C-フェンバレレートを両系統に処理した場合, 体内から回収されたフェンバレレートは抵抗性系統で著しく多かったことから, 抵抗性機構として神経の感受性低下も関与していると考えられた. フェンバレレートの遺伝様式を調べたところ, 常染色体上に存在する不完全劣性の遺伝因子に支配されらていると考えられた.
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