研究分担者 |
浜谷 稔夫 東京大学, 農学部, 教授 (10011933)
南方 康 東京大学, 農学部, 教授 (00011841)
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
福島 康記 東京大学, 農学部, 教授 (70003746)
南雲 秀次郎 東京大学, 農学部, 教授 (30023401)
渡辺 定元 東京大学, 農学部, 教授 (30182918)
立花 観二 東京大学, 農学部, 教授 (70011822)
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研究概要 |
1.研究目的 昭和56年の台風15号により広域的に発生した東京大学北海道演習林の風倒地帯に対して新しく更新されていく森林の形成過程を総合的に研究し, 亜寒帯針葉樹林の初期段階からの形成過程とそれらに関与する人為的施業のあり方を研究することを目的とする. 2.研究成果 (1)風害跡地の施業計画:風害木処理は5カ年の暫定計画を樹立し, 跡地更新等, 後年次につづく事業は, 経常施業計画に引き継いで行う. (2)落葉広葉樹倒木の生存率と上伸枝の発生, トドマツ, エゾマツの前生稚幼樹と, 広葉樹根返り木の生存個体が植生回復に大きな役割を果たすと推定した. (3)風倒木上の菌類相:針葉樹稚樹の更新に暗色雪腐病菌とナラタケ病菌が, またトドマツ, エゾマツの天然更新に菌類の遷移と倒木の腐朽状態が重要であると考えた. (4)天然林の林型区分:極相状態における林型別林相曲線を解明し, 多変量解析る基づく林型区分方式の有効性を検討した. (5)植生及び土壌:樹種組成や樹木の更新状況, 土壌型や理化学的性質の標高に伴う変化, 相互関係を明らかにした. (6)自然災害対策:北海道林業が激動の中で転換の方向を模索しつつある現状を説き, 東大演習林の施業について指針を与えた. (7)流域の流出特性等は, 本州での平均的流出に比し調節され, 風害面積率の小さい程流出一様生が高い. (8)伐出作業の現状と展望:「生産圏」なる作業域に基づく積極的機械化によって, 不連続的な発展進化は可能である. (9)不整地走行車の適用:林道上走行車輌の軌道を再現するシステムを構築. 走行中車体の傾斜角は地表の傾斜角より大きい. (10)虫害発生環境:トドマツオオアブラムシの林業的防除法の苗木植裁間隔操作による可能性を示唆した. (11)森林環境情報の整備:標高, 敷地, 林班境界, 小班名, 小林班相に関する情報が, 北海道演習林を含む地域について整備された.
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