研究課題/領域番号 |
60440017
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
波部 忠重 (渡部 忠重) 東海大学, 海洋学部, 教授 (80138635)
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研究分担者 |
横地 洋之 東海大学, 海洋研究所, 講師 (70119709)
上野 信平 東海大学, 文明研究所, 講師 (80160191)
澤本 彰三 東海大学, 海洋研究所, 助教授 (90119678)
小椋 將弘 東海大学, 海洋学部, 助教授 (40056073)
小坂 昌也 (小坂 晶也) 東海大学, 海洋学部, 教授 (00055790)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
1988年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1987年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | オニヒトデ / サンゴ礁 / サンゴの成長 / オニヒトデの産卵期 / 胚発生 / オニヒトデの成長 / サンゴ食巻貝 / 西表島 / サンゴの回復 / オニヒトデ稚仔の個体数密度 / オニヒトデ幼生の環境耐性 / サンゴ礁の回復状態 / サンゴ食巻貝の食害状態 / サンゴ食巻貝の餌選択性 / 石灰藻食期のオニヒトデと他動物の分布関係 / サンゴの成長と光飽和・強光阻害 / 障害物の成長に及ぼす影響 / オニヒトデの胚発生に及ぼす温度の影響 / サンゴの生息状況 / オニヒトデの発生 / オニヒトデ稚仔の出現分布 / オニヒトデ稚仔の致死濃度 / オニヒトデの環境耐性 / 産卵期 / 生殖腺熟度指数 / 幼生着低場所 / 沖縄県西表島 |
研究概要 |
サンゴ礁の保護・育成とオニヒトデの駆除に関する基礎資料を得ることを目的とし、1985〜1988年に西表島北西部海域において調査を行なった。本海域に分布するサンゴは35種以上が確認できた。本海域のサンゴは、85年までにオニヒトデの食害により壊滅状態となったが、88年までには回復を始めた。 普通にみられるイシサンゴAcropora4種の成長は、光への依存性が大きく、深所や透明度の低いところでは重量増加率0.4%/日程度と小さく、礁原や浅所では0.7%/日前後と大きかった。伸長率は、先端部が褐色の枝より白いもので大きく、0.7mm/日程度であった。A.nobilisの群体の表面積は1年で0.79〜1.08m^2増加すると推定された。 オニヒトデの繁殖期は5月下旬から6月中旬と推定された。胚発生は28〜32℃で速やかに進み、媒精後11〜13時間でふ化した。ふ化は20℃でも観察されたが33時間かかった。ヒトデ類浮遊幼生は6〜8月に出現し、サンゴモ食期のオニヒトデ稚仔は7月以降主に礁斜面に出現した。その密度は86年に0.82個体/m^2と最も高く以後減少した。86年と87年の稚仔は、直径約15〜25mm、月令9〜11カ月にサンゴ食への変換がみられた。成長は変換前は2〜3mm/月、変換後は8〜15mm/月であった。86年級群の一部は満2年で成熟した。 サンゴ食巻貝は2科5属11種が確認され、Drupella cornusが多かった。本種のAcroporaに対する最大摂食量は5.8cm^2/日であり、かなり大きな摂食圧となろう。 昨年までの研究によりオニヒトデ稚仔の発見が容易となり、大発生の予測と早期駆除対策の可能性が増大し、サンゴの保護・育成のためには大きな貢献と考えられる。また、サンゴ食害動物としては、オニヒトデが顕著であるが、回復期のサンゴにとっては巻貝類を含むその他の動物にも充分注意を払う必要があろう。
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