配分額 *注記 |
23,600千円 (直接経費: 23,600千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1985年度: 19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
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研究概要 |
1.ラットを用いて視床の束傍核から入力を受ける側坐核ニューロンに対するハロペリドールおよびスルピリドの作用を電気生理学的に検討した. さらに, これらの薬物が外来性に与えたドーパミンおよびメタンフェタミンの効果に対し拮抗するかどうかについて研究した. その結果, 側坐核では外来性に与えたドーパミンは内因性に遊離されたドーパミンと同様にニューロン活動を抑制した. 2.ラットにおいてメタンフェタミンは恐らく腹側被蓋野由来のドーパミン作動性神経終末からのドーパミン遊離をうながすことにより, 視床の束傍核から入力を受ける側坐核ニューロンを抑制することを明らかにした. 3.次いで, 黒質から入力を受け, かつこの黒質刺激融発スパイクが選択的D-2拮抗薬であるドンペリドンによって遮断される同一の尾状核ニューロンに, D-1およびD-2受容体が共存するか否かを検討するため, 麻酔ネコを用いて微小イオントホレシス法による研究を行った. その結果, 黒質から入力を受ける同一の尾状核ニューロンに, 抑制性D-1および興奮性D-2ドーパミン受容体が共存することを強く示唆する成績をえた. 4.この事実を確認するため, ラットの尾状核ニューロンに対するドーパミンの効果をスライス標本において細胞内記録法を用いて研究した. その結果, 尾状核ニューロンのシナプス後部位にはD-1およびD-2の2つのドーパミン受容体が存在しており, それぞれニューロンのドーパミンに対する抑制性および興奮性反応を仲介していることを明らかにした. 5.また, 尾状核ニューロンに対するドーパミンD-2受容体の選択的作用薬であるブロモクリプチンの効果を, スライス標本において細胞内記録法を用いて研究し, ブロモクリプチンおよび低濃度のドーパミンはドーパミンD-2受容体を活性化し, 尾状核ニューロンを興奮させることを明らかにした.
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