研究課題/領域番号 |
60440033
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西塚 泰美 神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
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研究分担者 |
荻田 浩司 神戸大学, 医学部, 助手 (60204103)
吉川 潮 神戸大学, 医学部, 講師 (40150354)
岸本 明 神戸大学, 医学部, 講師 (60127363)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
30,200千円 (直接経費: 30,200千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1987年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1986年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1985年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | ホルモン / 神経伝達物質 / 発癌プロモーター / カルシウム / イノシトールリン脂質 / 情報伝達 / プロテインキナーゼ / 受容体 / プロテインキナーゼC / 外界シグナル / 情報受容伝達 / ジアシルグリセロール / プロティンキナーゼC / 生体膜 / 生理活性物質 |
研究概要 |
プロテインキナーゼC(PKC)の情報伝達における役割の解明は医学生理学領域での重要な課題となっている。最近、その分子多様性が明らかとなりその生理意義が問題となりつつある。本研究では過去4ケ年間で多数のPKC分子種の構造を決定し、その臓器特異性、機能の調節に果たす役割の化学的基盤の解明を目指した解析を実施し、以下の成果を得た。 1.cDNAの解析から6種のPKC分子種の全構造を決定し、微妙に異なるが共通した構造を持つことを明らかにした。これまでに同定したα、β、γ、δ、ε、ζ種は異なった遺伝子によって支配されているが、β種の中にはスプライシングの相違によるもの(βI、βII)が存在している。 2.すべてのPKCを共通して認識する抗体の他、各分子種を特異的に識別する抗体を作成した。各cDNAを動物細胞に発現させ、単離することにも成功した。これらを用いて、各分子種の酵素化学的分析や分子生物学的解析の道を開くことができた。 3.酵素化学的および組織化学的解析の結果、α、βI、βII、γ種のPKCはそれぞれ特有の分布を示し、ことにγ種は中枢神経系にのみ存在している。さらに、多種のPKCは細胞内においても存在部位や様式が異なっている。 4.各分子種は微妙にその性質が異なっており、活性化様式や基質識別機構機能の特異性が相違している。特に δ、ε、ζ種ではCa^<2+>やジグリセリドによる活性化が明瞭でなく、受容体との共役機構の違いが示唆される。また、細胞刺激の際のトランスロケーションやダウンレギュレーションといった動態でも分子種で特異性が異なる。 以上の成果から、各種の細胞や組織がそれぞれ微妙に違ったPKCを有し、それぞれ相違した情報を伝達し、細胞機能を制御していることが明らかとなり、当初の目的を達成した。
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