研究課題/領域番号 |
60440034
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
横山 武 自治医科大学, 医学部, 教授 (30048938)
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研究分担者 |
広田 紀男 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20041361)
望月 眞 自治医科大学, 医学部, 助手 (60200333)
篠原 直宏 自治医科大学, 医学部, 助手 (50192109)
清水 英男 自治医科大学, 医学部, 講師 (80129030)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
27,000千円 (直接経費: 27,000千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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キーワード | 間質性肺疾患 / 伸展固定 / 立体構築 / 超微形態 / 実験的びまん性肺胞障害 / 薬剤による間質性肺炎 / 立体構策 / 薬剤によるヒト間質性肺炎 / 間質性肺症患 / 肺伸展固定 / 軟X線像 / 超微形態像 |
研究概要 |
昭和60年より昭和63年度までの4年間、間質性肺疾患の剖検17例の肺を対照33例肺とともに、Heizman(1984年)の方法で伸展固定して、肺病変を立体的に検索した。伸展固定肺は、肺全体を肉眼的に観察し、病変部を薄い小切片、また大切片として実体顕微鏡、走査電子顕微鏡、マクロおよびミクロソフテックスで観察検索した。また伸展固定標本での病変部を水にもどして、光学顕微鏡の連続切片としてニコンCosmozone2Sによって、細気管支の病変を立体構築して観察した。とくに特発性間質性肺炎の病理発生の検索のため、過酸素、パラコートをそれぞれラットに投与し、実験的間質性肺炎、肺線維症を作製観察した。さらに薬剤によるヒト間質性肺炎症例を、特発性間質性肺炎の対照として検索した。結果および結論:1.人体ポリエチレングリコール伸展固定肺について特発性間質性肺炎では、胞隔のびまん性肥厚と、肺末梢部における細気管支拡張が特徴的であるが、少数の例で肺胞の虚脱、線維化もある。びまん性汎細気管支炎では、とくに走査電子顕微鏡で観察すると、呼吸細気管支を中心としたヒトデ状の線維化があり、その中に狭窄を示す呼吸細気管支がある。周辺の肺胞は過膨脹を呈している。閉塞性気管支細気管支炎では非呼吸細気管支と考えられるやや近位の細気管支の閉塞があり、その部より近位の細気管支の球状の拡張がみられる。2.実験的ラット過酸素肺、パラコート肺について、何れも急性のびまん性肺胞障害がおこる。これは短時間におこる可逆性肺毛細血管内皮細胞の変性、I型肺胞細胞の変性、壊死、II型肺胞細胞の再生、胞隔の水腫、線維化が続発して間質性肺炎、肺線維症になると考えられる。しかし人体と異なり、肺胞の虚脱線維化をも合併する。3.抗癌剤による人体肺障害、抗癌剤によっても間質性肺炎が惹起されるが、抗癌剤を投与される個体の免疫低下による易感染性のためか、肺胞内器質化が必発である。
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