研究分担者 |
高安 達典 金沢大学, 医学部法医学講, 助手 (80154912)
大島 徹 金沢大学, 医学部法医学講座, 講師 (40183024)
前田 均 金沢大学, 医学部法医学講座, 助教授 (20135049)
田中 宣幸 金沢医科大学, 法医学講座, 教授 (60126597)
辻 力 佐賀医科大学, 法医学講座, 教授 (50073680)
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配分額 *注記 |
29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
1987年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1986年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1985年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
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研究概要 |
高度焼損死体の個人識別および死因究明上における法医診断学的諸問題の解決を目的として本研究は行われ, 以下の新知見が得られた. 1.ヒト組織細胞の熱変化と血液活性 (1)血球浮遊液を加熱すると100°CではABO.Lewis.MNS-S.Rh-Hr型など検査したすべての活性が残存, 180〜200°C加熱でもABO.Lewis型活性は検出し得た. 電顕上, 加熱(60〜100°C)により血球膜の膨化や断片所見がみられた. 塊状に変化した膜関連物質にABO型活性を認めた(フェリチン標識法). (2)ヒト組織細胞内型活性を, 光顕レベルでの所見と対比しながら電顕的(コロイド金標識法)に検出し, 粘液細胞の分泌顆粒や血管内皮細胞に型活性を確認. (3)加熱ヒト組織では, 炭化直前層は電顕的にも無構造化に傾く. 深部の光顕的細胞構造は一見保たれているが, 電顕的に細胞膜の膨化, 断つ裂や基質の集塊化がみられ, ABO型活性を血管内皮や粘液細胞内に検出し得た. (4)血液型物質関連単クローン抗体として種属特異的抗赤血球膜抗体, ヒト唾液物質特異的抗体の作製に成功した. 2.高度焼損死体の法医中毒学的研究 (1)揮発性並びにガス状薬毒物について, 熱凝固した卵白塊内に添加エタノールやトルエンが検査部位の熱変化程度に応じて残存することが基本的に確認された. 焼死の動物モデル実験により, 上記薬毒物並びにプロパン, エーテル, クロロホルムが強く焼けた臓器からでも検出し得ることがGCおよびGC-MS法により明らかにされた. また,キュリーポイント・パイロライザーを応用した微量試料からの発揮性薬毒物測定法を新しく開発し得た. (2)クロルプロマジン, ジアゼパムや覚醒剤が炭化直前の組織試料からでもGC-MS法で分析可能であることが示された.
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