研究課題/領域番号 |
60440043
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古川 俊之 東京大学, 医学部, 教授 (20101082)
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研究分担者 |
開原 成允 (開原 成充) 東京大学, 医学部, 教授 (30010234)
杉本 恒明 東京大学, 医学部, 教授 (60019883)
田中 博 東京大学, 医学部, 講師 (60155158)
尾上 守夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013076)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
29,500千円 (直接経費: 29,500千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | 次世代コンピュータ / ソフトウエア / 階層型推論エンジン / 人工知能 / 知識形成 / 生体のゆらぎ / 疾病経過モデル / 逆問題 / 不完全データ / 並列処理方式 / コンピュータ診断機構 / データ通信 / 知識自己拡張 / 自動学習機能 / エキスパートシステム / 病態生理学的ネットワークモデル / 疾病経過のゆらぎ概念 / ロジスティック関数 / 指数ワイブル関数 / マルコフ型時間系列モデル / 病態観測密度の最適化 / 認識スキーマのゆらぎ / 多変量解析モデル / 逆問題モデル / 知識工学モデル / 新しい推論エンジン / 階層的メタ・ルール / 人工知能型推論 |
研究概要 |
次世代コンピュータの診断学への応用のために、診断過程を病因からの情情伝達ないし拡散を遡行する論理的な逆問題と見なし、実験による仮説の証明と、コンピュータソフトウエアの作成を試みた。 初年度は、複数の診断仮説を並行して処理する能力をもった診断論理を、新しい推論エンジンとして試作開発した。これは仮説形成・一貫性検証・仮説選択の階層性によって、認識スキーマのゆらぎに対して、人間の「常識」に似た判断の安定化効果があることを見出した。 第2年度は、不完全データによる多変量解析の精度向上を試みた。欠落データに対処するため、次数を減らす、標準値で補完する、他の多変量推定法で補完する、などを比較し、最大エントロピー法によって最も妥当な推論が可能であることを証明した。生体のゆらぎ(準安定状態)は、かえって推論の安定化因子である可能性が示唆された。 第3年度は、疾病経過のゆらぎを定式化するため、疾病の状態を節点として因果関係・時間関係でこれらを結ぶネットワークを構成した。ネットワークの進行は、節点ごとに確率関数で与えることで、数種疾患の臨床疫学調査と同じ経過が再現できた。またマルコフ型個人リスク予測関数の検討に着手し、まず臨床経過を記述するのに必要な観測密度は、空間的には多変量解析に情報量基準を採用することによって、また時間軸での観測密度はマルコフ過程によるべきことを結論付けた。 第4年度は、生理学的知識をシミュレーションで導入し、人工知能手法の論理演算とは別の計算機で並行処理し、両システムをデータ通信を介して結合して、医師の思考に接近する新しい手法とした。また人間の学習過程を多変量解析モデルで再現し、最初に均衡のとれた知識を与えるのが、正確な学習、知識形成に必要なことを証明した。
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