研究課題/領域番号 |
60440054
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮崎 保 北海道大学, 医学部, 教授 (10075161)
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研究分担者 |
浜田 結城 北海道大学, 医学部・付属病院, 助手 (50175543)
桜田 恵右 北海道大学, 医学部, 講師 (80002161)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 赤血球フェリチン / 酸性フェリチン / 塩基性フェリチン / 不応性貧血 / 等電点電気泳動 / レクチン結合性 / 糖鎖 / 赤血球鉄量 / カラム等電点電気泳動 / MDS(Myelodysplastic syndrome) / RA(Refractory anemia) / 赤血球内鉄 / レクチン親和性 / ConA Sepharose chromatograph / 前白血病状態 / シアル酸 / フェリチン(赤血球) / フェリチン(酸性) / フェリチン(塩基性) / ConA Sepharose結合 / フェリチン(血清) / アイソフェリチン / 前白血病 / 等電点分画 / ConA Sepharose |
研究概要 |
1.健常成人49名(男子20名、女子29名)と輸血など未治療で合併症のない不応性貧血(RA)9例、RA以外の血液疾患としてRAEB、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、赤血球増多症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病について溶血液を作製し、カラム等電点電気泳動(IEF)により検討した。 2.フェリチンはIRMA法(spac RIA kit、第一ラジオアイソト-プ社)とRPHA法(山之内製薬)の両法で測定した。 3.健常成人の赤血球フェリチン値はIRMA法、RPHA法でそれぞれ男子14.9±11.2(ag/cell、MV±SD)、28.4±13.6、女子9.5±7.6、33.3±23.5であり、IRMA法で男子が有意に高値を示した。RA症例では、両法ともに健常人に比し高値を示す例が多く、IEFによる検討では、健常人赤血球フェリチンはpI5.1〜5.7、RAでは4.7〜5.7と健常人に比して酸性側からフェリチンが出現し、酸性フェリチン量の増加が確かめられた。RAEB例ではpI4.9〜5.9、鉄欠乏性貧血5.6〜5.9、溶血性貧血(2例)はpI5.4〜6.3とpI6.0〜6.7、赤血球増多症ではpI5.4〜5.9、急性白血病(2例)はpI4.8〜5.8とpI4.9〜5.9、慢性白血病のchronic phaseではpI5.3〜5.8であった。以上の結果から、慢性白血病の1例を除いて、造血器悪性疾患では健常人に比して酸性側からフェリチンが出現し、その量も多く、造血能の異常を反映しているものと考えられた。赤血球フェリチンの各種レクチンに対する結合性は、Con-A、WGA、LCS、RCAのいずれとも結合性が認められず、従ってCon-Aと結合性を示す血清フェリチンとは、その酸性化機序を異にするものと考えられた。赤血球内鉄量と赤血球フェリチンとの関係では、赤血球鉄量はMCVに依存する傾向がみられ、有意な関係は、現時点において明らかにされなかった。急性白血病症例において、RAEBより進展したAML症例の赤血球フェリチン量が、denovoのAML症例に比して高値を示した事は、今後の白血病病態生理を研究する上において赤血球フェリチンの有用性を示唆するものと考えられた。
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