研究課題/領域番号 |
60440063
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川島 康生 阪大, 医学部, 教授 (10028425)
|
研究分担者 |
松田 暉 大阪大学, 医学部, 助手 (00028614)
中埜 粛 大阪大学, 医学部, 講師 (70028653)
広瀬 一 大阪大学, 医学部, 講師 (20101272)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
杉本 侃 大阪大学, 医学部, 教授 (10028342)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
35,800千円 (直接経費: 35,800千円)
1986年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1985年度: 26,000千円 (直接経費: 26,000千円)
|
キーワード | 心臓移植 / 脳死 / 補助人工心臓 / 右心不全 / 心肺同時移植 / 肺高血圧症 / 経食道心エコー法 / 心筋保護 / warm induction / 高エネルギーリン酸化合物 |
研究概要 |
心臓移植は欧米では重症末期心疾患患者に対する治療法として確立されてきた。しかしながら移植心の人手には数の上で限度がある。まして心肺同時移植臓器は更に入手が困難である。これらの問題を解決し,本邦における心移植の実施を容易ならしめるべく検討した。即ち、前者においては脳死後時間の経過した心臓がどの時点まで移植心として使用可能かを検討して、移植心の入手機会の増加をはかる一助とすること、後者においては現在心移植が禁忌で、心肺移殖の適応とされている肺動脈圧の高い症例に対して、移植心の右室がそれに慣れるまで補助心臓により右室を補助することにより心肺移植数を減じて、より臓器が入手し易い心移植の可能性を増加させること、の2点について検討し、以下の結果を得た。1.臨床的検討として脳死患者における心機能の変動を心エコー法を用いて経時的に評価した結果、心収縮能の指標としての収縮期圧/左室収縮末期径比は脳死状態に陥った後も、観察した約2週間は正常値範囲内を推移し、さらに症例によっては数ケ月間に渡って循環動態は維持された。2.実験的検討として心移植後の心機能低下に対する補助心臓の効果に関して、肺動脈絞やく術により肺高血圧モデル犬を作成し、心移植後の右心不全に対する右心補助人工心臓(RVAD)の効果についての基礎的検討を行なった。その結果、(1)RVADにより右房圧、右室圧および右室仕事量は有意に低下し、左房圧、大動脈圧および心拍出量は有意に上昇した。(2)右心補助を行なったモデル犬はすべて実験終了時まで全身循環が維持され生存した。(3)右心補助を施行しなかった群はすべて肺動脈絞やく術後30分以内に急性右心不全により死亡した。(4)以上より、心移植後の一過性の肺血管抵抗上昇による右心不全に対する補助人工心臓の有効性が確認されさらには機能低下心移植後に、移植心の機能回復を計るに際して同装置を併用することの有用性が示唆された。
|