研究課題/領域番号 |
60440066
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
今井 康晴 東京女医大, 医学部, 教授 (30075246)
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研究分担者 |
河田 政明 東京女子医科大, 学・循環器小児外科, 助手 (30177703)
松尾 浩三 東京女子医科大, 学・循環器小児外科, 助手 (30190408)
福地 晋治 東京女子医科大, 学・循環器小児外科, 助手 (20120040)
中田 誠介 東京女子医科大, 学・循環器小児外科, 助手 (40138920)
黒沢 博身 東京女子医科大, 循環器小児外科, 助教授 (50075511)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
1986年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | CO2 laser / coronary anastomosis / IMA sequential bypass / autotrasplantation / kidney / splenorenal shunt / 低出力【CO_2】レーザ / コラーゲン組織の融合 / 川崎病 / 乳幼児の冠動脈血管縫合 |
研究概要 |
本研究の目的:乳幼児心血管手術後の遠隔期合併症として吻合部の瘢痕性狭窄が、体成長に伴い相対的に増強される懸念が指摘されている。これは1)狭窄の程度が心血管径の断面積に反比例して臨床像の増悪を来す。2)再手術の危険は多く、必然的に合併症、副損傷の頻度も増す。従って瘢痕化を極力防止し吻合部の成長可能な方法の開発の意義は大きいと言える。 初年度:種々なレーザーが医療に導入されてきたが、最近開発された低出力炭酸ガスレーザーを吻合に用いた。【CO_2】レーザーの特徴は組織透過性が低く、理論的には血管外膜側からの照射により、内膜損傷を来さず、中膜、外膜のコラーゲン線維を変性再配列させることで吻合可能性であるとされている。組織間の接合と減張を目的とした単結節吻合を加えるのにとどめ、内膜を温存する縫合をめざした。昨年は急性実験の成果を紙上発表したが、主としてレーザー機器の一部変更と基礎的な急性実験を施行した。 本年度は 1)川崎病を念頭においた左冠動脈-内胸動脈吻合の生存犬の作成 左冠動脈-内胸動脈の端側吻合ないしsequential bypassを施行し術後7日目から6カ月例にいたるバイパスを造影することに成功し、これら数頭に組織学的な検討を加えた。昨年5月に冠血行を再建した2頭は術後3カ月目に冠動脈造影を行いグラフトの開存を確認したが、生体の修復機転の最終像と冠動脈の流体的な変化を組織学的に検討するため、手術後1年目をめざして飼育中である。吻合部の成長に関してはratに続いて、小犬の心停止下内胸動脈・左冠動脈吻合術を施行したが、小犬は低栄養と細菌感染を併発し失った。長期生存犬作成をめざす。 2)静脈系へのレーザー吻合方法の応用 腎臓の移植の模擬実験として腎静脈の下大静脈へ異所性再吻合を施行した。生存犬を暫時屠殺し組織学的な検討を加えた。また門脈圧亢進症をモデルとしたsplenorenal shuntを作成した。臨床像とは血流方向は逆であるが、6カ月までの生存犬を作成検討した。 結語:当施設の生存実験犬飼育限度枠の制限がありいまだ統計的な検討から臨床応用への限界、適応への明確な判断は下せない。5月末で1年生存となる実験犬の組織学所見が待たれるが、この間更に1カ月未満の生存犬を作成し統計的な検討を加える。
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