研究課題/領域番号 |
60440071
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
小野村 敏信 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90025560)
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研究分担者 |
小林 一朗 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20195770)
田中 真一郎 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00148412)
渡辺 秀男 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90026899)
岸本 郁男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50140158)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
20,300千円 (直接経費: 20,300千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1987年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
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キーワード | 脊椎牽引 / 脊髄誘発電位 / 脊髄血流 / 実験的脊髄圧迫 / 後弯変形 / 脊柱後弯変形 / 圧迫性脊髄麻痺 |
研究概要 |
脊髄に加わる牽引力が、脊髄血流障害を介していかに脊髄機能に影響を及ぼすかを知る目的で、家兎を用いて、脊椎牽引時における脊髄血流量と、強弱2種類の刺激強度を用いた脊髄誘発電位を測定した。椎体長の約32%の牽引を加えた家兎において、弱刺激による誘発電位は一過性に増大し強刺激による振幅はゆるやかに減少したが、この時の血流量は10ml/min/100gに減少しており、この値は脊髄機能低下を示唆するものであった。すなわち虚血による脊髄障害の診断には、強刺激による電位変化が安全域であっても、弱刺激による振幅変化の観察が不可欠であると思われた。 家兎脊柱に対して後方(後方法)あるいは前方(前方法)から術操作を加え、脊髄に対して定常的圧迫の加わる後弯変形モデル動物を作製したが、後方法においては変形の動的な圧迫が、また前方法においては静的な圧迫が脊髄障害の主因になりうると思われた。これらのモデル動物は全例に麻痺を認めず、慢性圧迫性脊髄症の初期の段階のモデルと考えられたが、脊髄誘発電位を測定したところすべての例になんらかの電位変化を認め、脊髄誘発電位は潜在性の脊髄圧迫障害を検索する手段として極めて有用であることが示唆された。また誘発電位の伝導遅延の程度は後方法に強く、逆に振幅低下の程度は前方法に強い傾向にあった。このことから、後方法の如く動的な圧迫においては髄鞘が障害されやすく、前方法の如く静的な圧迫においては軸索が変性をきたしやすいものと推察された。すなわち、後弯部の可動性の有無という脊髄圧迫態度の差そのもの、もしくはそれぞれの圧迫態度によって引き起こされた二次的障害因子の差により、脊髄には質的に異なった障害が生じうるものと考えられた。
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