配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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研究概要 |
本研究は気管内麻酔中, 気管内チューブに特殊の圧トランスデューサ, または呼吸気流計を接続して心原性の気管内心拍動波を記録し, これを解析することにより心機能に関する情報を非観血的に得ることを目的とした. 1.心エコー法による麻酔中の心機能評価:麻酔中の心機能に関する情報を非観血的把握するため本研究費による超音波診断装置を用いて各種吸入麻酔中に検討を加えた. その結果, 一回拍出量, 収縮期血圧/左室拡張終期容量係数比, 平均円周短縮速度などに比し前駆出時間/左室駆出時間比が最も心筋収縮力の減弱を敏鋭に示し, 前駆出時間, 駆出率などがこれに次ぎ, 心収縮時相(STI)測定の意義が認められた. 2.STIの測定と吸入麻酔薬の影響:従来の測定法, 心エコー図による方法, 及び気管内心拍動波(ITCG)によるSTIを臨床的に比較検討した結果, ITCGによるものが心エコー図によるSTIと高度の相関関係を示した. 従ってITCGによるSTIの測定が容易で且つ正確なため, 気管内麻酔中の心機能を非観血的に評価する手段として有用なことが認められた. 本法により各種吸入麻酔薬の影響を検索したところPEPにインフルレンを除き濃度依存性の延長傾向, LVETはエンフルレンでのみ短縮, PEP/LVETはイソフルレン以外の麻酔薬で増加とそれぞれ心機能を評価出来る成績が得られた. 3.心拡張期時相については心エコー法により各パラメータの詳細な分析が可能となったが, 麻酔薬による影響を明らかにするまでには至らなかった. 4.ITCGの流量変化における心収縮に一致する要素に麻酔薬による濃度依存性の抑制を認めた. 以上の成績よりITCGを使って気管内麻酔中の心機能評価が可能であり麻酔中のモニターとしての意義を認めた.
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