研究課題/領域番号 |
60440083
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平井 五郎 日大, 歯学部, 教授 (80013845)
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研究分担者 |
斉藤 郁子 日本大学, 松戸歯学部, 副手 (50178472)
奥田 綾子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00130451)
三島 弘幸 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (30112957)
寒河江 登志朗 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (20112948)
小沢 幸重 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (80014132)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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キーワード | DNA / 顕光分光光度計 / Feulgen反応 / DAPI染色法 / PI染色法 / 顎嚢胞 / 下顎頭軟骨層 / 核DNA量 / 顕徴分光光度計 / 骨端軟骨 |
研究概要 |
歯周組織の良性腫瘍である顎嚢胞をWHOの分類に従い、歯根嚢胞、歯原性角化嚢胞および含歯性嚢胞に分けた。顎嚢胞においては炎症が高度になるほど上皮脚が発達し、上皮脚の発達程度と上皮下結合組織の炎症性細胞浸潤の程度とは高い相関を示す。従って、上皮脚の発達程度と上皮基底層細胞のDNA含有量、すなわち細胞分裂活生との関係を求めた。DNA含有量は、Feulgen反応による細胞の核の染色濃度を顕微分光光度計を用いて波長560mmで測定した。その結果、上皮脚の発達が高度であるほどDNA量が増加する傾向が認められた。しかし、嚢胞の再発例では、上皮脚の発達程度に比し上皮基底層の細胞のDNA量が高く、従って再発の可能性も高いことが示唆された。歯科矯正学では、オトガイ部に力を加えて下顎骨を後方に牽引し、下顎頭を圧迫することによって下顎骨の成長を抑制する治療法がある。その実験的裏付けとして、同一目的の装置によって下顎頭軟骨層の成長方向が変わるので、軟骨の成長が活発になった部位を選び、Feulgen反応およびDAPI染色により下顎頭軟骨の層ごとの細胞DNA活性を観察した。下顎頭の軟骨層が骨化する機転は、軟骨の肥大層の細胞が退化して死滅した後に、石灰化が始まって骨を形成すると考えられているが、肥大層の細胞にはDNA量がむしろ増加しているものがあり、この層が骨形成に積極的な役割、を果たしているという意見を裏付ける事実であると思われる。また、幼若ラットの脛骨骨端軟骨においても、軟骨の肥大層にDAPIおよびPI染色で強く反応する細胞がある。すなわち、下顎頭以外でも骨形成が行なわれている部位では、軟骨の層のうち、特に肥大層が骨形成に対して積極的に関与していると考えられる。
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