研究課題/領域番号 |
60440094
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 博 北海道大学, 医学部, 教授 (20000911)
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研究分担者 |
及川 恒之 北海道大学, 医学部, 助手 (80150241)
葛巻 のぼる 北海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
武市 紀年 北海道大学, 医学部, 助教授 (40002133)
細川 真澄男 北海道大学, 医学部, 助教授 (20001901)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
29,500千円 (直接経費: 29,500千円)
1986年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1985年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | がん細胞 / 悪性度 / 腫瘍進展 / 腫瘍退縮 / がん転移 / 細胞膜面修飾 / 発癌遺伝子 / 細胞間コミュニケーション / 腫瘍原性 / 転移能 / 突然変異 / DNAメチル化阻害 / 細胞融合 / ウイルス感染 |
研究概要 |
(研究目的)がん細胞は個々の細胞によりその悪性度の巾が大きい。この研究の目的は、がんの進展に伴い出現する悪性形質出現の原因と機序を究明し、この原因因子を除去することにより、悪性度の高いがん細胞の発生阻止を狙うものである。(研究計画・方法)がん細胞の悪性度が細胞のgeneticな変化、epigeneticな変化、あるいは細胞膜の一時的修飾によるものかを分けて考察する。悪性度を規制する因子として、突然変異原物質、DNAメチル化阻害物質、細胞融合、ウイルス感染、分化誘導、細胞間交渉などを選択し、それぞれの因子が細胞の悪性度にどのような影響をもつかを検討する。(研究成績)がん細胞の悪性度の指標としては腫瘍原性と転移・浸潤能を用いた。1.ラット線維肉腫KMT-17の培養クローン【A_3】は10%胎児牛血清(ECS)添加培地で培養したときに示す生体肉腫瘍原性を、1%FCS培地で培養すると失う。2.培養マウス線維肉腫BMT-11細胞の約半数は突然変異原物質ケルセチンあるいはDNAメチル化阻害剤5-azacystidine処理後、腫瘍原性を失うが、逆にケルセチン処理後転移能を獲得した1クローンが出現した。これらの変換は一時的なものでありepigeneticなものである。3.ウイルス感染ラットがん細胞のほとんどのものが腫瘍原性を失う。この変換は恒常的なものである。4.マウス形質細胞腫S194細胞は正常線維芽細胞と融合すると腫瘍原性を失う。この融合雑種細胞では親S194細胞が示すc-mycの発現が抑制される。5.ラット乳癌の高転移株で強く発現しているc-fos遺伝子が低転移株では発現されていない。さらにこの高転移株は低転移株に比して正常細胞との細細間コミュニケーションの低いことが明らかとなった。以上の所見のうち1.2.3.の変換の機序は新しく発現した抗原が原因となって起こる免疫学的拒絶である。
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