配分額 *注記 |
23,700千円 (直接経費: 23,700千円)
1987年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1986年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1985年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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研究概要 |
1.組織適合的なアフリカツメガエルの2系統(J系:K系)を近交および雌性発生の手法を繰り返すことにより, それぞれ確立した. (JXK)F1個体にJ系線リンパ球を注入することにより典型的な対宿主移植片反応が誘導された. 2.血漿から分子量202KDの補体第4成分(C4)を分離し, 等電点電気泳動によりアロタイプを分析した結果, C4アロタイプはMHCに強くリンクレMHCのclassIII域遺伝子座に支配されると推定された. 3.J系胸腺細胞を抗原として作製された単クローン抗体と反応する抗原(XT-1)は分子量120KDの膜糖タンパク質で, 成熟Tリンパ球の特異的標識分子であるが, 末梢リンパ器管における発現はJ系個体で極めて強く, 他の系の個体では弱い. 4.初期卵割胚の割球に含まれる生殖細胞質(GP)の量と幼生で分化する始原生殖細胞(PGC)の数との間には正の相関があり, またJ系個体では野性型にくらべて, GP, PGC数ともに多く且つ変異が少ない. 5.三倍体細胞またはX.bonealisの核マーカーを標識とした組織を尾芽胚期に移植して作製されたキメラ個体について血球の胚体内での由来をしらべ, 幼生期の血球は尾芽胚の腹部中胚葉から, 幼生後期および成体のそれは尾芽胚背側部中胚葉の参加によって形成されることがわかった. 6.三部体J系個体を胸腺適除後, γ線照射された二倍体(JXK)F1個体の胸腺上皮を移植すると, K系に対する寛容生を伴った免疫能力の回復が起こる. 他方, J系の若い幼生に(JXK)F1成体の皮膚を移植すると, K系に対する特異的寛容生が誘導される. リンパ球の移注, MLRなどで解析した結果, 前者はKハプロタイプに反応するクロンの欠如. 後者は特異的サプレッサー細胞の活性により, それぞれもたらされていると結論された. 7.本研究で確立された2系統のツメガエルは, この動物を用いて行なわれる洗練された実験に不可欠の材料として, 今後益々その重要性を増すものと信ずる.
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