研究課題/領域番号 |
60440102
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永井 克孝 東京大学, 医学部, 教授 (80072974)
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研究分担者 |
小山内 たか 東京大学, 医学部, 技官(教務) (60126018)
辻 崇一 東京大学, 医学部, 助手 (90124677)
佐内 豊 東京大学, 医学部, 助手 (40150289)
岩森 正男 東京大学, 医学部, 助教授 (90110022)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
24,200千円 (直接経費: 24,200千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1987年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
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キーワード | ガングリオシド / 生理活性糖脂質 / 細胞間情報伝達 / タンパクリン酸化 / 神経芽腫瘍細胞 / MDCK / 3Y1 / ドーム形成 / Neuro2a / 細胞表層 / タンパクリン酸化酵素 / ガン遺伝子 / 遺伝子導入 / 神経突起伸展作用 / 腎細胞株 |
研究概要 |
最近、ガングリオシド微量成分について種々の細胞活動の活性化、調節、制御との関連から急速に関心が高まってきている。本研究では新しい機能性ガングリオシドを培養細胞系を用いて探索、解析し、その作用機作を分子レベルで解明し、活性ガングリオシドあるいはその類縁合成化合物を合成し、その医学・生物学分野における有効的利用法を開発することを目的とした。その結果、(1)培養腎細胞MDCK株に対してGM3等がドーム形成促進作用を持ち、その作用機作はcAMPレベルを上昇させるものではないこと、(2)ガングリオシド依存性タンパクリン酸化酵素系が存在すること、中でも細胞表層に局在するectoー型のタンパクリン酸化酵素系の中でガングリオシドにより活性化されるものがあること、さらに、(3)ガングリオシドと同等の神経突起伸展作用を持つシアル酸含有合成化合物を発見し、その作用がおもに膜の透過性昂進にあること、等を明らかとした。一方、これら生理活性を持つガングリオシドを有効に細胞表層に出現させる方法を検討していく過程で、(4)マウス胸腺においてステロイド依存的にGM3合成活性が誘導されること、(5)癌遺伝子を導入することにより細胞膜ガングリオシドが変動すること、等を明らかにした。我々の一連の研究により、様々なガングリオシド分子種が種々の細胞において"生理活性"を示すことが明らかとなり、また、これらの分子の発現機構を解く糸口が見えてきた。さらに、ガングリオシド添加による細胞応答を様々に検討していく過程で、ectoー型のタンパクリン酸化酵素系に見られるように、今まで知られていなかったガングリオシドの関与するシグナル伝達機構の存在が示唆されるに至った。今後、それぞれの細胞応答に対する作用機作を詳細に検討し、明らかにし、人為的にその発現を制御する方法を検索して行く必要があるものと考えられる。
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