研究課題/領域番号 |
60440110
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
泰江 弘文 熊本大, 医学部, 教授 (40174502)
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研究分担者 |
高岡 恭治 熊本大学, 医学部附属病院, 助手
奥村 謙 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (20185549)
堀尾 豊 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50157070)
NAKAMURA Natsuki Kumamoto University Hospital
OGAWA Hisao Kumamoto University Hospital (50177135)
ROKUTANDA Manabu Kumamoto University Hospital
TAKAOKA Kyoji Kumamoto University Hospital
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 狭心症 / 冠動脈の攣縮 / Ca拮抗剤 / 一枝病変 / 狭心症の発生機序 / β遮断剤 |
研究概要 |
狭心症は心筋が一過性の酸素欠乏に陥いるために発生するのであるが、心筋が酸素欠乏に陥いる機序は十分に明らかにされていない。本研究は冠動脈に一枝病変を有する症例における狭心症が、いかなる機序によって発生するかを明らかにすると同時に、それに対する的確な薬物療法を確立することを目的として行われた。 1.対象ならびに方法:冠動脈の一枝病変を有する狭心症例126例(男110例、女16例、年令33〜68才、平均54.5才)を対象とし、(1)トレッドミル運動負荷試験をくり返し行い、発作が再現性をもって誘発されるか否かを調べた。(2)再現性をもって発作が誘発される例においては心筋の酸素需要を抑制するβ遮断剤であるプロプラノロール80mg、冠攣縮を抑制するCa拮抗剤であるジルチアゼム90mg、およびニフェジピン20mgを夫々別の日に投与して、発作に対する効果を調べた。(3)62例においては発作時に冠動脈造影法を施行して、発作時に冠動脈の攣縮が出現するか否かを調べた。 2.結果:(1)発作は126例中64例(50.8%)においては再現性をもっては誘発されなかった。(2)発作が再現性をもって誘発された62例中52例(83.9%)においてプロプラノロールは発作を抑制しなかった。一方、ジルチアゼムおよびニフェジピンは夫々77.4%および73.7%において発作を抑制した。(3)発作時62例中61例において冠動脈の攣縮が出現し、発作が消失すると共に攣縮も消失することが冠動脈造影法で確認された。 3.考案ならびに結語:以上の結果より、冠動脈の一枝病変を有する症例における狭心症は、ほとんどが心筋の酸素需要の増加のみによっては発生せず、冠動脈の攣縮か又は冠動脈の攣縮に心筋の酸素需要の増加が加わって発生すること、および一枝病変例の狭心症の治療にはCa拮抗剤が第一選択薬である、と結論される。
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