研究概要 |
1.バイオフィードバックによる皮膚温のコントロールとその方略の研究 1)効果的な訓練方法を検討するために実験をおこない, (1)最大量課題, 最頻課題は同様の効果を持っている, (2)フィードバックがあると被験者の覚醒を高め妨害的に働き, パフォーマンスは低い, (3)漸進的接近法が訓練方法としてはすぐれていることが明らかになった. 2)方略を教示したときのフィードバックの効果を究明するために大学生10名を対象に実験をおこなった. その結果, 皮膚温変化量にはフィードバックの効果は認められなかった. しかし, 個々のデータを吟味すると皮膚温が大きくなのものと逆に減少するものとがあり, フィードバックの効果は個人によって異なることを示唆する結果が得られた. 2.バイオフィードバックによる心拍のコントロールの研究 1)方略として自律訓練を使用したところ, (1)自律訓練は極めて有効である(2)しかし, その効果には個人差が大きいことが指摘された. 2)フィードバックの効果と制御能力については, (1)心拍の制御にはフィードバック(情報提示)は殆んど効果がなかった, (2)心拍の制御能力の高い人と低い人とがいる, (3)方略として呼吸の効果が大きい, (3)制御能力の高い人は呼吸法, 筋の緊張, リラックスと関連性が深い. 3.痛みのコントロールと方略の研究 1)痛みをコントロールするための方略について分類し, その効果について検討した. そして, 意図的課題への注意集中, セルフコントロール, イメージなどが有効であった. 2.痛みの指標については, トレランスタイムや皮膚温, 痛みのマグニチュード推定, 痛みの評定(形容詞)などについて検討した.
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