研究分担者 |
湯浅 隆 国立歴史民俗博物館, 歴史研究部, 助手 (20150021)
水藤 真 国立歴史民俗博物館, 歴史研究部, 助教授 (80150019)
宇田川 武久 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助教授 (70104750)
濱島 正士 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 教授 (20156392)
山折 哲雄 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (40102686)
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研究概要 |
(1)寺社縁起関係資料の調査 京都・奈良周辺所在の寺社縁起ならびにその関係資料の調査を行った. とくに重点を置いたのは, 東寺・醍醐寺・石山寺・東大寺・興福寺である. 1)東寺には, 東寺以外の多くの寺社の縁起が数多く所蔵されているが, 学界未紹介のものも見られた. そのうち『春日興福寺流記』は内容の豊かなものであるが, その本文はまだ公刊されていない. また『醍醐寺年中行事』は鎌倉初期に作成書写されたもので, 醍醐寺の歴史を研究する上での好資料である(刻紹介). 2)醍醐寺で注目すべきものは『日域諸寺私記』『下醍醐寺年中行事』『上醍醐寺年中行事』等である. 中でもとくに『日域諸寺私記』は重要なものである. 3)石山寺では, 江戸時代後期の知足院尊賢撰の『石山要記』『石山寺霊迹集』『石山寺年代記』『石山寺各院記』『石山寺座主伝記』等は縁起・寺誌資料として重要である. 4)東大寺では『東大寺縁起絵詞』(諸本), 『戒壇院縁起』等の東大寺関係の縁起類のほかに, 興福寺・笠置寺等の縁起も蔵されている. なお諸寺社とは別に東京大学史料編纂所その他の機関の所蔵資料も調査した. (2)縁起本文の研究 『春日興福寺流記』(研究実績報告書に全文翻刻)『日域諸寺私記』の全文の釈文を作成し, その本文の出典等の検討や, 他の縁起との比較研究を進めた. そのうち前者については「興福寺流記」「建久御巡礼記」等が利用されているが, 詳細については今後の研究にまちたい. また『七大寺巡礼私記』の本文について, 日本史・民俗・宗教史・建築史の面から逐条的な研究を進め, 各事項毎にその関連資料の集成を行った. しかし完了させることはできなかったので, さらに研究を継続したい. また縁起に見える建造物については十三重塔に重点を置き研究した.
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