研究課題/領域番号 |
60450071
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
和田 守 静大, 人文学部, 教授 (80007236)
|
研究分担者 |
穴見 明 静岡大学, 人文学部, 助教授 (70144102)
佐藤 信一 静岡大学, 人文学部, 助教授 (60115574)
松田 竹男 静岡大学, 人文学部, 助教授 (30022437)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 自由民権運動 / リベラリズム / ナショナリズム / 国民国家 / 藩閥政府 / 自由党 / 立憲改進党 |
研究概要 |
1.自由民権運動における国家構想を検討するにあたり、一方で民権論者の国際社会認識の種々相を検討するとともに、他方で権利観および地方自治観の特色を摘出しつつ国家観の諸相を分析した。 2.国際社会認識に関しては、欧米先進諸国の法や政治制度をはじめ経済・社会生活など広汎な文明観の特色を検討した。この点で、熊本の大江義塾での講義録や塾生の作文類は、必ずしも体系化されていないだけに、当時の国民的理解の水準を示すものとして興味深い。また、当時の現実的な外交課題であった条約改正問題をとりあげ、その論議のなかで近代国際法がどのように理解され、欧米諸列強中心の国際秩序の改革を構想したのか、ナショナリズムとデモクラシーとの関連に留意しながら、その特色を摘出した。 3.権利観および地方自治観との関連では、各種憲法草案および主権論争、国体・政体論争の分析とならんで各地における民権運動の具体的展開過程を追跡し、国会開設要求に典型的に見られるような政治的自由の要求と併行してその基礎となる市民的自由の要求の実態を検討した。その要求は各地における具体的な経済的ないし生活上の諸要求を踏まえて展開されており、それだけに地方民会や県会など地方分権、地方自治の確立・拡大の要求と運動している。とくに、静岡県をはじめ地方名望家層が民権運動の主要な担い手となり、また県会にも進出している地域では、この傾向が強い。 4.民権派に対し政府ないし在野国権派の国家構想、国際社会認識について立憲帝政党系の紫溟会をモデルとして分析をおこなった。伝統的な国体論的色彩が強いとはいえ、民権期においては立憲政体樹立の提言など興味深いものがある。 5.民権運動展開の有力な武器になったマス・メディアの発達と実態につき部分的ながら分析をおこなった。
|