研究課題/領域番号 |
60450074
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
高畠 通敏 立大, 法学部, 教授 (70062586)
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研究分担者 |
五十嵐 暁郎 立教大学, 法学部, 助教授 (90097220)
北岡 伸一 立教大学, 法学部, 教授 (80120880)
栗原 彬 立教大学, 法学部, 教授 (10062613)
野村 浩一 立教大学, 法学部, 教授 (80062529)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 戦後日本 / 政治体系 / 高度成長後 / コーポラティズム |
研究概要 |
低成長期における日本政治の画期をなしたのは、80年と86年の同日選挙における自民党の大勝であり、この傾向は中曽根内閣による「86年体制」の宣言にみられる保守支配の定着へとつながるようにさえ見える。この間に、保守政権は補助金による利益誘導から財政危機に陥り、反転して行政改革をつうじて保守権力の改編,確立にのりだした。また、長期化した政権を背景に党の組織化が進行する一方で、中曽根首相がブレーンを配してトップ・ダウンの政治手法を前面に押し出しているところに、今日の日本の政治指導のダイナミズムが構成されている。これにたいして社会党をはじめとする野党は、革新自治体の経験や連合政権のチャンスを生かすことが出来ず、低成長期における国民の全般的保守化の波にのみ込まれていった。さらに、行革によって支持団体である労組の組織が堀り崩されたことは、野党の後退の大きな契機になっている。こうした構造変化は、地方政治に顕著にあらわれた。保革相乗りの地方政権の下に労組や住民運動までも取り込まれ、コーポラティズム型の支配構造が地方から中央へと浮上しつつある。日本政治のこうした構造転換は、日米や日中の国際関係とも緊密に関連し合いながら展開している。日本経済の拡大化にもかかわらず、日本外交は対米依存を脱しえず、貿易摩擦はじめ米国外交の重圧は日本の外交,内政を規制している。他方、日中国交回復によって55年体制の一角をなしていた中国問題が消滅しさらに中国が現代化の現実路線へと踏み出したことは、日中,日中韓関係および日本政治にも重大な影響を与えた。こうした全般的な保守化傾向にたいして、反核,エコロジー,フェミニズム,オールタナティブ・ライフなど、新しい運動による地殻変動も生じており、以上が生み出す政治体系の転換はなお進行中である。
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