研究分担者 |
池本 清 神戸大学, 経済学部, 教授 (50030664)
村上 敦 神戸大学, 経済学部, 教授 (40030663)
西島 章次 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (70116234)
井川 一宏 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (80031392)
西向 嘉昭 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70031383)
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研究概要 |
本研究では1970年代の石油危機と世界的スタグフレーションの時期における国際分業体制の変化, および1980年代の経常収支不均衡と世界経済の不安定化に対する国際的調整を理論的・実証的に検討することを課題としている. 国際分業体制は, 各国の産業構造が相互にリンクして作り上げられるものであるから, 各国の産業構造・貿易構造の分析と平行して, 主要諸国間における相互連関についての分析を必要とする. そのため, まず国際的な相互連関を産業レベルでとらえることから作業をはじめ, 続いて石油危機によって企業の生産面における対応がどうであったかというマクロの調整を計量的にとらえる作業を行った. これらを基礎にして, 主要国間の経済政策の相互連関, 直接投資と貿易構造の関係, 開発途上国の国際分業への参加について検討され, 国際分業体制の調整過程について体系的に把握する試みがなされた. 新たな知見は次のとおりである. 1.変動レート制の下では, 国際分業体制の変化およびその調整は, 為替レートの変化を通じてなされる比重が大きい. 為替レートの貿易構造・経常収支への効果について, 計量的な結果を得た. 2.企業行動の国際化と資本の自由化によって, 直接投資による国際的産業調整のウエイトが拡大している. 直接投資と貿易構造・産業構造への効果について, 個別データとともに, 幅広い理論的な結論を得ている. 3.1980年代の先進国間の貿易摩擦の解決は, 先進国間だけでなく, 開発途上国をどのように国際分業体制に組み込むかと深くかかわっている. 本研究では特定地域について事例研究を行うことによって, この問題に対するアプローチにおけるいくつかの手掛かりを得た.
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