研究概要 |
本研究は、日米欧の自動車業の企業行動を、その社会的環境に関連づけて、年次営業報告書,有価証券報告書およびその他統計資料の分析,さらに実態調査等に基づき、具体的に会計測定を行っている。わけても日本については、自動車産業が直接間接に、日本経済全体および地域経済に及ぼすインパクトを追求している。この場合、高速自動車道路の影響について追求している。 そこで、さらに言及すれば、次のようである。すなわち、日米欧における自動車産業の企業行動とその社会的環境の対応を、会計的にアプローチしながら、できうる限り個別的に具体的にしかも総合的に追究することにある。そこにおいては、一つには、連結子会社を含む企業集団について、財務諸表,経営方針,製品の研究開発,設備投資,海外投資,子会社の管理等を追究することにより、その成長発展を構造的に追究している。 またわが国について、とくに自動車業の発展とその地域経済への影響を考察している。そこにおいて、自動車産業の発展の軌跡と現状を明らかにしている。ついで、トヨタ自動車の発展と同社の工場が集中している豊田市との関係について考究する。さらに、自動車産業発展の間接的影響の一例として高速道路が地域経済に及ぼす影響について検討する。 とにかく、世界の自動車業界は、一段と厳しい市場および経営環境にあるが、エレクトロニクス・データ通信等のハイテク事業へのチャレンジ,果敢な経営組織の改革再編成あるいは財務決定の態様を跡づけるとき、今後も成長してゆくものと考えられる。日本の自動車企業も高度な先端技術と生産性および柔軟な経営行動をもって、国際的環境を乗切るものと期待される。
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