研究課題/領域番号 |
60450090
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
酒井 惇一 東北大, 農学部, 助教授 (00005604)
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研究分担者 |
長谷部 正 東北大学, 農学部, 助手 (10125635)
大泉 一貫 東北大学, 農学部, 助手 (00091661)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 土地利用方式 / 水田農業 / 東北農業 / 減反 / 開田 / 水田裏作 / 水稲生産力 |
研究概要 |
(1)前年度は、土地利用方式により東北地方を類型化し、畑作地帯における土地利用方式の変遷について研究したが、本年度は、稲作地帯の土地利用方式を中心にして戦後の水田利用方式の展開について研究した。その結果次のようなことが明らかになった。 (2)戦前の東北地方の水田はきびしい気象条件等のために水稲専作的に利用されてきた。戦後になると、麦,ナタネ,レンゲ等の裏作が導入され、一年二毛作的水田利用方式が普及した。この水田利用方式の変化は経営方式の変化をひきおこし、また集落を単位とした集団的土地利用の確立と結合しなければならなかった等の点で注目される。 (3)昭和30年前後から裏作が衰退し始めた。しかし水田酪農と結びついた新たな二毛作、田畑転換の動きが現れ、水田利用方式の一層の高度化が展望された。 (4)昭和40年前後には二毛作は決定的に解体し、東北の水田利用はふたたび水稲専作的利用に戻った。同的に、畑地の開田が進み、畑地的利用が水稲専作的利用に転化し、東北の土地利用方式の単純化が進んだ。この開田には大きな地域性があり、粗放な大規模農業地帯で特に進展した。 (5)昭和45年の第一次減反で、水田の低利用化、遊休化が進んだ。53年の第二次減反からは、水田の畑地的利用、いわゆる水田利用再編が進み、水田の高度利用もみられた。しかし、依然低利用の方が多く、土地純収益率を低めていることが問題となる。 (6)45年以降東北地方の水稲生産力は、単収やコストの面で停滞を示すようになる。もちろん他地方を上回る生産力となっているが、その格差は縮小しつつある。これは水田利用の粗放化を示すものである。 (7)今後、地域農業の集約化、複合化、組織化により水田利用方式の高度化を進め、本来の意味での水田農業の確立を図っていくことが必要と思われる。
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