研究概要 |
(1)幼児・児童の姿勢の経年的変化について、研究学園都市、近郊の3才から14才までの男女1093名を対象に、安静立位姿勢時の脊柱彎曲,肩下り,左右体重配分,前後重心位置を記録測定し、各年令の立位姿勢の特徴を明らかにした。その結果、幼児期(3〜5才)は上体が前方に傾斜し頭顔部は後方に引かれ,胸椎後彎,腰椎前彎はゆるやかで前かがみの特徴を示した。小学校期(6〜11才)はやや上体は起き上がり,胸椎後彎,腰椎前彎は強くなっている。中学校期(12〜14才)は上体が起き,頭顔部は前方に突出し反り身の状態になり,胸椎後彎の変化はあまりみられず,腰椎前彎は更に強くなる。特に女子では骨盤の発達と関連してかなり著明な腰椎前彎を示し,臀部の隆起も大きくなる。肩下りは年令に関係なく右肩下りの傾向を示す。前後重心位置は成人に比べてかなり踵よりであった。4才から5才にかけての同一被検者の追跡では、男子の肩下りと前後重心位置に変化がみられたが、全般的には顕著な変化はみられなかった。 (2)生まれ月による形態的優劣に関する縦断的研究 茨城県吉沼地区の昭和47年生まれの男子34名,女子25名について7年間の形態計測を行い、4〜6月生,7〜9月生,10〜12月生,1〜3月生に分けて形態的優劣を比較した所、男子の早生まれ(1〜3月)の子どもは有意に形態的に劣っていたが、女子では差異が認められなかった。 (3)幼児・児童の体力発達に関する追跡研究 茨城県大穂町の1978年に4,5,6才の男子73名,女子53名について8年間の体力追跡データを分析した結果、調整力は4〜8才まで急激な発達を示すが、それ以降は横ばいとなる。筋力と瞬発力は4才から13才まで直線的な発達を示すが、女子では11才以後の発達がにぶる。柔軟性はすべての年令で女子が男子を上まわり、男女とも8〜9才が最も身体が硬い。
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