研究課題/領域番号 |
60460004
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 清三 東大, 理学部, 教授 (40011423)
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研究分担者 |
鈴木 貴 東京大学, 理学部, 講師 (40114516)
楠岡 成雄 東京大学, 理学部, 助教授 (00114463)
大島 利雄 東京大学, 理学部, 助教授 (50011721)
小松 彦三郎 東京大学, 理学部, 教授 (40011473)
藤田 宏 東京大学, 理学部, 教授 (80011427)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1986年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1985年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 関数解析 / 数値解析 / 非線型問題 / 自由境界 / 分枝 / 爆発 / マリヤバン解析法 / 逆問題 |
研究概要 |
最近の関数解析の進歩の一つは、非線型問題の解明に数値解析的方法あるいは関数論・複素解析的方法を併用されつつ有力な手掛りを提供していることである。この方面の典型的な成功例が本研究の成果として得られた。その一つは、自由境界をともなう流体の運動を大域的に追求することである。すなわち、藤田・岡本・東海林等の研究により、天体表面の流体の運動をモデルとする問題が定式化され、解の存在が非線型関数解析の方法で証明されると共に、自由表面の運動や安定性の追跡が数値解析的に信頼できる方法で追跡できることになった。2番目の例は、微分幾何学的な意義を持つ非線型固有値問題のパラメータに関する大域的情報を伴った分枝理論的研究である。これは主として鈴木によってなされたが微分幾何の専門家によっても高く評価されていることは喜こばしい。第3は半線型放物型偏微分方程式の解の爆発の解析である。この問題の解析的ならびに数値解析的研究は、藤田および陳によって現在も進行中である。 今回の研究の成果のうちで、次に特筆するべき特長は、マリヤバン解析法などの確率論的方法が偏微分方程式に適用され従来の方法によっては到達できなかった精緻な結果を与えたり、論理を透明にしたりしたことである。この方面での楠岡の研究は画期的である。 さらに、線型ならびに非線型の関数解析の正統的な研究としてそれぞれの分野を進歩させたものとしては、小松によるジュブレイクラスでの微分方程式の解の構造の基礎研究,増田の抽象発展方程式の解の評価が重要である。また、鈴木・岩崎によるスペクトル逆問題の研究は、当研究をして逆問題の世界的な研究中心の地位を保たしめたものである。
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