研究課題/領域番号 |
60460007
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
海野 和三郎 東大, 理学部, 教授 (30011414)
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研究分担者 |
斎尾 英行 東京大学, 理学部, 助手 (10162174)
柴橋 博資 東京大学, 理学部, 助手 (30126081)
近藤 正明 専修大学, 商学部, 助教授 (60012457)
尾崎 洋二 東京大学, 理学部, 教授 (30011547)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | カオス / X線星 / 対流 / 非線形力学 / 脈動 |
研究概要 |
1.CygX-1のX線観測(衛星「天馬」による)から得た非周期的時系列データをカオスとして同定するため解析を行なった。必要なパラメータを色々と変えて調べてみた所、ほぼ5次元のフラクタル次元をもつアトラクタが存在するとみる事ができた。但し短い時間尺度の成分を残す程、次元は上昇する傾向にあり、次元の数値自身は今後変更の要があるかも知れない。このアトラクタの最大のリャプノフ指数を計算した所、正の値となり、カオス検出の支持を得た。 2.三次元対流をブシネスク近似の下で数値積分し、力学系の観点から解析した。レイリー数が2万の時、プラントル数Pr=1とすると非周期解が、Pr=3とすると周期解が得られた。Pr=3の解はロール構造を持っている。Pr=1の場合、渦度のZ成分が生成されていた。相空間を再構成して非周期解のアトラクタについて調べた結果、二つの正のリャプノフ指数を持ち、フラクタル次元が3.3である事が判った。これは流体系(高次元系)における低次元カオスの存在を示した事に相当する。 3.非線形力学の観点から【CO_2】問題をとりあげ、環境学の基礎理論を構築した。環境を表わす量として人口,地表温度,【CO_2】量(全て時間のみの関数)外部から流入するものとしては太陽エネルギーを考え、これらの線形相互作用をまず組み立てた。一般には非線形効果の入った力学系として扱わねばならない。そこで線形オペレータが非線形項の形を支配すると考えて、振巾方程式を物理が見易い形に再構成し【CO_2】問題を扱う非線形方程式系を決定した。この方程式を数値積分すると、あるパラメータでは太陽によって引き起こされるカオス現象が現われたりするが、具体的にどの様な事が言えるかは更に研究が必要であろう。
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