研究課題/領域番号 |
60460010
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 博一 京大, 理学部, 教授 (20025232)
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研究分担者 |
藤原 顕 京都大学, 理学部, 助手 (70173482)
舞原 俊憲 京都大学, 理学部, 助教授 (90025445)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | ハレー彗星 / 赤外線観測 / 赤外線分光 / 星間固体 / 星間ガス / 塵粒子 / ガス生成率 |
研究概要 |
1986年2月に太陽に最接近したハレー彗星の赤外線分光観測を、国内国外の幾つかの望遠鏡を使って行った。 彗星は、太陽系の形成が行われた初期の物理的・化学的な環境のもとで起った塵とガスの凝素の過程に関する情報を、最も新鮮な形で保っている天体である。従って、彗星本体から蒸発昇華して放出される一次成分としての塵とガス、特に母分子と呼ばれている成分の放出量や組成を知ることは重要であり、1つの有力な手段として赤外線分光観測を行う計画をたてた。 初年度は、まず観測に必要な小型冷却型近赤外線分光器の設計と製作を行った。この装置はグレーティング分光器部を液体窒素温度で冷却して用いること。及び多素子のインジウムアンチモン検出器アレイを使用することにより、従来よりも高感度で能率の良い観測を可能とした。 実際の観測は、1985年11月、1986年1月及び3月の3回実施し、彗星から放出される塵成分のスペクトルとその変化,COガスとC【H_4】ガス成分の検出とその定量を試みた。COガス成分による振動回転遷移バンド輝線のスペクトルの特徴がわずかに測定できているが、十分なSN比で得られなかったので、生成率の上限値を推定した。又、C【H_4】ガス成分の存在も、彗星の生成条件を調べる重要な母分子であるが、明確な輝線の特徴は観測されなかった。しかしその上限値はかなり低いので、生成条件に対する理論的な制限を与えることになる。1986年3月の観測では、連続した5日間の赤外線スペクトルとその強度の日変化が得られた。彗星固有の自転によると思われる周期的な変化を示しており、彗星核からの塵粒子生成活動と自転運動との関連を調べる上で興味深いデータである。
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