研究概要 |
1.25cmクーゲ型反射赤道儀による恒星干渉計の製作 クーデ焦点の口径25cmの2基の反射式赤道儀を製作した. 室内実験を行ってから, 構内の旧写真天頂儀室内で南北基線上に約3m離して設置し, マイケルソン恒星干渉計を構成した. この干渉計はヤングのダブルスリットの干渉原理に基づくものである. 赤道儀主鏡口径は25cm, 主鏡焦点距離75cm, 副鏡焦点距離-0.75cmであり, 合成焦点距離は150m〜200mの範囲で使用する. この結果0次の回折像は0.8〜1.1mmとなる. 光学系は光線を水平に導くクーデ型であり, 両赤道儀の中央付近で光線を重ね合せる方式とした. 室内実験ではHe-Neレーザー光源による望遠鏡光学系調整, 光束結合機構及び干渉縞形式実験など, 干渉計の光路調整を行った. 2.恒星干渉計の口径選定 大気ゆらぎによる恒星干渉計口径の干渉縞の鮮明度に及ぼす影響を検討した. 大気乱流の低空間周波数領域まで考慮した場合, 長基線干渉計では口径の鮮明度に及ぼす影響は小さく, 鮮明度は1/2となる. 本実験ではこれらの点を考慮し, 口径を25cmとした. 3.SITカメラによる干渉縞画像処理 浜松ホトニクス社製の超高感度SITテレビカメラを使用し, 感度試験を行い, 干渉計を構成した場合約4等星まで検出可能の結果を得た. またSITカメラで撮影した像の画像処理方法を月面, 星野画像に適用した. 4.干渉計実験 各望遠鏡の機械軸及び光軸を調整し, 木星, αCyg, αAur等明るい星を使って, 南北両望遠鏡の星像を重ね合せる実験を行い, 干渉縞を検出するため干渉計の微調整方法を検討した.
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