研究課題/領域番号 |
60460020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高橋 保 阪市大, 理学部, 助教授 (20047137)
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研究分担者 |
佐藤 任弘 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (10013418)
奥沢 徹 大阪市立大学, 理学部, 講師 (60047397)
東 茂 大阪市立大学, 理学部, 教授 (50046786)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | ミューオン検出器 / ドリフトチェンバー / ジグザグディレイライン / 2次元読み出し / リミテッドストリーマー / ディレイライン読み出し |
研究概要 |
ミューオン検出に広く使われているドリフトチューブは長いアルミ矩形パイプの中央の陽極線への移動時間を測って陽極線に直角方向(x軸)の入射位置を測定する。しかし陽極線方向(z軸)は測定できない。そこで陽極線に沿ってディレイラインを置くとアバランチ中の陽イオンが移動する時信号が誘起される。その両端への伝播時間の測定からz座標を求める。幅10cm、高さ5cm、長さ140cmのアルミ角パイプが陰極で陽極線は100μmの金メッキタングステン線である。ディレイラインは幅と間隔が1.1mmの銅が幅4cm、長さ140cmのカプトンの両面に半周期ずらしてジグザグにプリントされている。パイプの中央に陽極線、下面にディレイ帯の構造のタイプ1、パイプの中央垂直にディレイ帯、その左右のセルの中央に陽極線のタイプ2の2種類のチェンバーを作りその諸特性を測定した。ディレイラインからの波高値は陽極の1割程度なのでリミテッドストリーマー領域で作動する70%アルゴンと30%イソブタンの混合ガスを1気圧で流した。宇宙線ミューオンが通過した時の陽極線、ディレイラインの両端の信号をF・ADCで観測した結果ディレイの信号は陽極線の約1割であり検出効率は4kVの供給電圧に対して98%であった。ルテニウムからのβ線ビームをz方向に移動させながら陽極線と両端の信号の遅れを1ns、10ビットのTDCで測定した結果伝播速度は3.31±0.01ns/cm、位置分解能はタイプ1,2でそれぞれ2.7,4.8mmであった。x軸方向の位置分解能は陽極信号の遅れの測定から1mm以下である。両端の波高値の比の測定からディレイラインの減衰定数は168cmである。以上の結果から全遅延時間400nsのディレイラインを使い10ビットのTDCで測定すれば長さ7mのミューオンチェンバーのz座標を7mmの精度で続むことができる。
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