研究課題/領域番号 |
60460028
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
大野 和郎 埼大, 理学部, 教授 (80013449)
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研究分担者 |
木村 啓作 分子科学研究所, 助手 (70106160)
石渡 光正 埼玉大学, 理学部, 助手 (80184571)
元屋 清一郎 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60114683)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1985年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | チトクローム【C_3】 / 長波長電子スピン共鳴吸收 |
研究概要 |
油回転眞空ポンプとピラニイ眞空計を用いることにより試料の温度を1.4Kまで下げることができ、本格的な試料の測定を始めた。前回報告したように試料の変性がときどきおこるので、先ず入=3cm即ち10000【MH_2】でESRを行い、試料が酸化状態のチトクローム【C_3】であることを確認した。試料は多いほど望ましいが今回は9mgを使用した。測定は20-50【MH_2】で行われた。このような長波長では測定器の感度が一番問題になるが、0.3mgのDPPHの測定によって、1.5Kでは、試料の吸收線の巾が極端に広くなければ感度は充分であることをたしかめた。 4.2Kでは測定器はかなり安定であったが、1.5Kまで温度を下げると、回転ポンプの振動等の故か、安定度はかなり下った。又熱伝導度を考慮して、液体ヘリウム中での試料測定回路は非磁性のステンレス鋼を使用しているが、この一部が低温で強磁性になるためか、測定回路のバランスが、磁界、10エルステッド以下でくずれることもわかった。磁界は勵磁電流を微少直流電圧計で読み、積算された信号は記録計で記録した。例えば、39.9【MH_2】,温度1.4Kでの測定では、吸收線とみとめられるものはなかった。測定器の感度から推定して、もし吸收線が、交換相互作用等でなんらかのnarrowingをうけていれば前述のように感度は充分あるが、認められなかった事実は少くとも吸收線の巾が、50エルステッドを超えていると推定される。この事実はチトクローム【C_3】では、交換相互作用は比較的小さく、dipolar broadningが吸收線の巾をきめていると云え、我々がメスバウア効果から期待した事象は強くは生じていないと決論される。
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