研究課題/領域番号 |
60460033
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山嵜 比登志 岡山大, 理学部, 助教授 (40013495)
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研究分担者 |
田中 基之 岡山大学, 理学部, 助教授 (80032803)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | カオス / スピン波 / マグノン / 平行励起 / パラメトリック励起 / ストレンジアトラクタ |
研究概要 |
強磁性体【(CH_3NH_3)_2】Cu【Cl_4】とYIG(イットリウム・鉄・ガーネット)とを用いて、マグノンの平行励起実験を行ったところ、マグノンの非周期的自励発振が発生し、それが決定論的カオスであることが明らかになった。平行励起法では磁気モーメントに平行方向に、マイクロ波磁場を加えることによって、周波数がマイクロ波の半分で、波数が+kと-kのマグノン、つまり定在波が励起される。 測定は液体ヘリウム温度、励起用マイクロ波の周波数は9GHz帯を使用した。マグノンの自励発振は、1〜100kHzのオーダーで、磁性体に吸収されるマイクロ波の振幅変調として観測される。マイクロ波を検波して、その振幅の時間変化を時系列データとして、ディジタルメモリーを経由してシグナルアナライザーに取り込み、さらにそのデータをコンピュータに転送して、様々な定量的カオス解析を行なった。 マグノン数の振動は、規則発振から周期2への倍周期分岐をしてから、カオスになった。カオス状態の一変数の時系列実験データから、時間遅延法を使って三次元位相空間にフェイズポートレイトを作った。得られたストレンジアトラクタの三次元的形状を明らかにするため、ポアンカレ断面を調べたところ、軌道面は薄いシート状をしており、ストレンジアトラクタの特徴である軌道面の引き伸ばし、折り畳み効果がはっきりと分かった。2物質とも明瞭なリターンマップが得られて、決定論的カオスであることがハッキリした。それらのリターンマップを使ってリヤプノフ指数λ、及び相関積分法によるフラクタル次元dを求めたところ、各々メチルアミン銅塩でλ=0.43,d=2.3,YIGでλ=0.34,d=2.0と求まった。その他パワースペクトルやコルモゴロフェントロピー等を研究した。
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