研究課題/領域番号 |
60460037
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新関 駒二郎 東北大, 理学部, 助教授 (90004407)
|
研究分担者 |
森田 章 岩手大学, 工学部, 教授 (20004228)
吉田 博 東北大学, 理学部, 助手 (30133929)
岡部 豊 東北大学, 理学部, 助手 (60125515)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 燐 / 超伝導 / 高圧 / 構造相転移 / 電子構造 |
研究概要 |
セルフコンシステント擬ポテンシャル法により、燐金属相(単純立方構造=SC構造)及び半金属相(菱面体構造=A7構造)の電子帯構造及び全エネルギーを原子体積の関数として計算した。その結果、 (1)SC構造が低圧で不安定化しA7構造に転移するのは、SC構造のフェルミ面が強いネスティングを起こしていることに由来するパイエルス型の不安定性として理解される。 (2)原子体積が小さくなると、フェルミ準位付近の電子伏態に対する燐原子の3d軌道の混入の度合が増大する。その結果フェルミ面の形状が変化してパイエルス不安定性が押えられる。これが高圧側に於けるSC構造の安定性の原因である。 (3)単純立方構造では、その構造をA7構造に変化させるような格子変形に対応するフォノンモードがソフト化している。このことは、このフォノンモードと伝導電子との間に強い電子-格子相互作用があることを示している。 の3点が明らかになった。 以上の結果の(3)により、燐の金属相が単体金属として比較的高い超伝導転移温度を持つことの理由についての定性的理解が得られた。これらの計算結果をもとに超伝導転移温度を定量的に算出することが残された課題である。
|