研究分担者 |
伊藤 潔 京都大学, 理学部, 助手 (80022721)
竹内 文朗 京都大学, 防災研究所, 助手 (50027299)
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 助手 (80027292)
佃 為成 (佃 爲成) 東京大学, 地震研究所, 助教授 (20027288)
平原 和朗 京都大学, 防災研究所, 助手 (40165197)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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研究概要 |
62年度においては次のような研究を行い, 以下に述べる結果を得た. 飛騨地方及びその周辺部で発生した240個の地震を利用し, 16点の高感度微小地震観測点で観測された約2,500個のP波走時, および北陸地方で発生した278個の地震を用い, この地域内の微小地震観測網の7観測点で観測されたP波走時のデータからインバージョンによって, これらの地方の上部地殻3次元構造を推定し, さらに活断層や地震分布, 重力分布との関係を明らかにした. この結果, 飛騨地方中北部の跡津川断層と飛騨山脈西縁で囲まれる三角地帯には地殻最上部より12Kmの深さ迄, 6.0-6.4Km/secの高速度層が存在, 跡津川・茂住・牛首断層群の西半部では高速度層が深くまで貫入していることが明らかになった. 一方, 飛騨山脈中軸部では5.4-5.8Km/secのかなり速度の遅い層が相当の深さまで連続して存在する. この低速度層は上部では活火山の立山及び北西方の跡津川断層東部まで, 南西方には活火山下の乗鞍岳, 御岳, 阿寺断層東側まで拡がる. また御母衣断層西側から両白山地の中部には5.6-5.8Km/sec層が拡がり, この低速度層は白山付近では深さ12Km迄達している. 飛騨山脈及び白山下の低速度層は火成活動に関係している可能性も考えられる. また北陸地方の表層近くでは, 海岸線沿い特に福井平野の西に顕著な低速度領域が存在し, この層と第2層では北東-南西の走行をもつ高速度領域が顕著であることが見出された. さらに, 高速度領域によって福井断層はその南の断層系とに遮られているように見えることが分かった. また, 福井断層の西の高速度領域では, 地震活動が低い. さらに琵琶湖では, 深いところでかなりの低速度になっていて, 負の重力異常と調和的であることが分かった.
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