研究課題/領域番号 |
60460051
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玉尾 孜 東大, 理学部, 教授 (50013636)
|
研究分担者 |
山本 隆 東京大学, 理学部, 助手 (40143375)
三浦 彰 東京大学, 理学部, 助手 (20126171)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
|
キーワード | 磁気流体波 / 局所化アルビンモード / 局所化低速磁気温波 / 反磁性ドリフトアルビン波 / バルーニング不安定 / 磁力線曲率による不安定 / 磁気圏・電離圏結合 / ULF振動 / 高エネルギー粒子束変調 |
研究概要 |
地球磁気圏内のプラズマシート領域や環電流粒子領域は、磁気圧とプラズマ圧が同程度である高ベータ-磁化プラズマである。此の領域では、人工衛星による磁場および高エネルギー粒子の直接観測から、磁気圧変動と粒子圧変動が反位相を示す数百秒周期の脈動が観測されている。本研究では、磁力線方向にエネルギーを伝える二つの局所化磁気流体波、即ちアルビン波と低速磁気音波の結合不安定を重点的に数値解析し、反磁性を示すULF脈動の発生機構・振動特性を明らかにした。 (1)アルビン波と反磁性低速磁気音波の共鳴結合振動 高ベータ-プラズマ内の二つの局所化モードの結合に関する方程式系を二流体モデルおよび粒子像の観点から導出し、特に反磁性に対する磁力線の曲率効果が無視し得る條件やドリフト波との結合が明らかにされた。 (2)反磁性ドリフトアルビン波のバルーニング不安定 磁力線の曲率が磁気勾配に比して小さい場合、低速磁気音波との曲率による直接結合よりもバルーニング不安定性が重要となる。ドリフトアルビン波の磁力線沿いの固有値解析を実施し、その結果、電場が赤道で最大となり電離層で完全反射となる基本モードのみが不安定となることが示された。此のモードの電場は静電場であるが、静的平衡が反磁性であるために、変動部分も磁気圧と気体圧が反相関を示すことになる。一方高調波は、磁力線全域にわたって振動解となり、電離層中の有限電気伝導度を考慮すると、減衰振動となる。等価回路的考察を適用すると、バルーニング不安定に対応する場合は、負のインダクタンス回路が存在することになる。 (3)不安定モードの周期、伝播方向(イオンの平均ドリフト方向)、反磁性関係等を考慮すると、磁気嵐時脈動の説明として、反磁性ドリフトアルビン波がもっとも有効である。
|