研究課題/領域番号 |
60460056
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 正道 東大, 教養部, 助手 (70107944)
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研究分担者 |
藤井 直之 神戸大学, 理学部, 教授 (60011631)
武田 弘 東京大学, 理学部, 教授 (50011523)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | リモート・センシング / 赤外スペクトル / 反射スペクトル / 小惑星 / 隕石 / 造岩鉱物 / 惑星表面物質 / 惑星科学 |
研究概要 |
本研究の目的は、主要造岩鉱物や隕石の拡散反射スペクトルを赤外の波長領域(2.5-25μm)で測定し、小惑星の表面物質同定のための基礎的研究を行なうことである。フーリエ変換型赤外分光光度計(日本分光(株)製FT1IR-3型)を購入し、DR-81型拡散反射付属装置を用いて、主な鉱物や隕石の赤外拡散反射スペクトルを測定した。スペクトル・データをパソコン(NEC(株)製PC9801)に集録するためのプログラムや、スペクトルをCRT上やXYプロッターに種々の形式で作図するためのプログラムも開発した。試料の粒度によるスペクトルの変化を調べた結果、細粒のものが含まれていれば、大きく変化しない事が判った。細粒のものが含まれていない場合や、磨かれた表面の場合は、10〜20μmの範囲で反射スペクトルの上昇が見られ、これは吸収係数の大きい事による正反射の寄与が大きくなるためと考えられる。小惑星表面は細粒の物質を含むレゴリスでおおわれていると考えられているので、この変化はそれ程重大な問題とはならないだろう。C2(炭素質)コンドライトとC3(炭素質)コンドライトは、可視・近赤外の反射スペクトルが類似しており、Cタイプのスペクトルを示す小惑星の物質決定を困難にしている。赤外ではC2は3μmと6μm付近に含水ケイ酸塩に依る吸収帯を示すが、C3は示さないので容易に区別が出来る。同様に、エンスタタイト(E)・コンドライトと鉄隕石の可視・近赤外スペクトルは似ているが、赤外ではEコンドライトは10〜25μmで多くの吸収帯を示すが、鉄隕石は示さない。これは、Mタイプの小惑星の化学組成の決定に重要である。以上の様に、可視・近赤外のスペクトルと赤外のそれとを組み合せると、表面鉱物同定にきわめて有効である。今後、スペース・テレスコープ等による、赤外反射スペクトルの精度の良い観測が望まれる。
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