研究課題/領域番号 |
60460061
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松村 正清 東京工大, 工学部, 教授 (30110729)
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研究分担者 |
木村 龍平 東京工業大学, 工学部, 助手 (80161587)
内田 恭敬 東京工業大学, 工学部, 助手 (80134823)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 超薄膜 / アモルファスシリコン / 薄膜トランジスタ / 熱酸化 / 2段階堆積 / 自己整合 / プラズマCVD / 半導体 / 絶縁体界面 |
研究概要 |
本研究では、まず、アモルファスシリコンを用いたトランジスタの活性層膜を極めて薄くすると、(1)電流径路の断面績の減少、(2)光路長の減少による光吸収の減少、(3)表面再結合の増加による光励起キャリヤ数の減少、および(4)量子効果による光吸収係数の減少により、洩れ電流が著しく減少できることだけではなく、単位ゲート電極面積当たりの局在準位密度が減少するので、動作電流が大きくなることを、初めて指摘した。 次に、現実的な局在準位分布を仮定した理論解析により、アモルファスシリコンを10nm以下に超薄膜化すると移動度の増加が起きると予測した。また、裏面の電気的特性が極めて大きな影響をおよぼすことを指摘した。 次に、従来のプラズマCVD法を用いて、超薄膜アモルファスシリコントランジスタを試作してその特性を評価した。その結果、膜厚が20nm程度以上では、理論予測と一致した傾向を示すが、20nm以下の膜厚では、動作電流が急激に減少することが明らかとなった。 理論と実験との不一致の原因は、アモルファスシリコン膜が島状に堆積したことに基づくと考えた。そして、この解決策として、まずアモルファスシリコンの核を大量に作ってから、高品質アモルファスシリコン膜を堆積するという2段階堆積法を提案し、理論的解析により、本方法の有効性を明らかにした。さらに、実験的にも、全膜厚が14nmでも大きな動作電流が得られる事を実証し、5nmの膜厚のトランジスタが動作することも確かめた。 また、超薄膜では、界面の重要性が相対的に高まるので、良好な界面を実現できる低温熱酸化法を考案した。そしてこれらを総合して、自己整合形トランジスタが実現した。また、超薄膜化が電荷結合デバイスの性能を向上させることなども明らかにした。
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