研究課題/領域番号 |
60460066
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理計測・光学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西 敏夫 東大, 工学部, 助教授 (70134484)
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研究分担者 |
田中 肇 東京大学, 工学部, 助手 (60159019)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1985年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | パルス法NMR / 実時間測定システム / 高分子の結晶化過程 / スピン拡散 / スピン・スピン緩和時間 / スピン・格子緩和時間 / 回転系でのスピン・格子緩和時間 |
研究概要 |
パルス法NMRによる実時間測定システムを試作した。すなわち、現有の【^1H】-パルス法NMR装置とトランジェントレコーダーからなるシステムを、高速入出力インターフェイスを介して、高速マイクロコンピューターと接続すると同時に、不均質系に現れる複数のスピン-スピン緩和時間【T_2】、スピン-格子緩和時間【T_1】、回転系でのスピン-格子緩和時間【T_(1P)】及び各信号強度を求めるプログラムを作成した。【T_2】の高速実時間測定については、【T_2】に対して90゜χι90゜yパルスを使うSolid echo法と90゜χτ(180゜y2τ)nパルスを使うCorr-Purcell-Meiboom-Gill法を併用し、短時間側では前者、長時間側では後者を適用し、コンピューター上で両信号を接続して真のFree inductiondecay信号を得ることに成功した。【T_(1P)】に対しては、通常のスピンロッキングではなく、90゜χτ(90゜y2τ)nパルスを使うSolid echo train法が適していることを見出した。不均質系のスピン拡散では、通常のGoldman-Shen法を修正した90゜χ【τ_0】90゜χ【τ_1】90゜yパルス系が適当であることを見出した。【T_1】は、本質的に実時間測定に向かないが、不均質系に対しては、通常のinversionrecovery法を修正した180゜χτ90゜χτ90゜yパルス系列が適当であった。上記システム及びパルス系列を高分子の結晶化過程(ポリεカプロラクトン(PCL)1ポリスチレン(PS)1ポリビニルメチルエーテル(PVME)混合系からのPCLの結晶化など)、ポリアクリルアミドノ水系のゲル化過程、ミクロ相分離したブロック共重合体中のスピン拡散過程等に適用し、多くの新しい知見を得た。例えば、高分子の結晶化に伴なう結晶化度の変化、結晶相・非晶相・中間相の分子運動性の変化及び各相の分率の変化などである。またスピン拡散を利用して、ミクロ相分離の形態、大きさ等まで推定でき、パルス法NMRを顕微鏡的に使える可能性を示せた。今後は実用系への拡張と、拡散定数の測定に力を入れたい。
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