配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
セラミックを被覆した超硬合金工具は下記の処理によってその寿命を飛躍的に延長できることが明らかになった. すなわち, コーティングを行った後に(コーティングの前でなく), 切刃先端に約5μmの丸味とともに50μmから75μm の幅にわたってホーニングによってセラミック層を除去する. これによって工具内部のWCTC. 素材がすくい面にごくわずか露出とることになる. 工具寿命はこれによって少なくとも2倍に, 600m/m〓 を超えるような高速の断続切削では6倍に増加することがわかった. 上記の寿命の改善は被削材に0.45%炭素鋼を使用した場合, 難削材であるクロムモリブデン鋼を使用した場合ともにみられる. 工具素材はP系列の場合とくに顕著である. コーティング材はPVD法によるT:N, CVD法によるTiC+TiNの上にAl2O3を多層コーティングしたものともに, その工具寿命が飛躍的に増加することがわかった. 工具損耗の形態を走査熱電子顕微鏡を使って詳細に観察した結果, 以下のことがわかった. コーラッド工具を使って高切削速度で断続切削を行ったとき, その寿命を決定する主たる要因はコーティング時にセラミック表面に生じるクラックが工具母材に微少クラックを発生させることにある. このような微少クラックは切刃先端に振動・断続切削等によって衝撃が加えられると, 容易に進展し, チッピングを生ずるに至る. 本研究で提唱しているホーニングによって切刃先端を処理すると, このチッピングにつながる微少クラックがすべて取除かれることになる. しかも工具易高温度に達する箇所(刃先から100mm〜1mmぐらいの範囲)ではセラミックが付着しており, 温度による特性の劣下が極少におさえられているのである. 今後は工具刃先の温度分布の実測を行い上記の結果を理論的に裏付けていきたい.
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