研究概要 |
本研究では、三次元測定機を用いて、機械加工された部品の寸法および幾何学的量(形状,姿勢,位置)を測定するための統合化した三次元座標測定システムを構成することを目的としている。 近年、機械部品の設計,加工工程はCAD/CAMなどの手法を用いた自動化をめざした省力化システムが研究され実用化の段階にある。しかし、検査(測定)工程においては、利用される種々の情報(製品の形状情報,公差情報,加工情報,など)がCAD/CAMシステムと一貫していないためにその過程が設計,加工工程とは情報的に見て独立しており、また測定過程そのものの自動化に多くの未解決な問題点が残されていることも相まってそれらを統合化できないのが現状である。この問題を解決するためには、まず、CAD/CAMに対応した検査工程におけるCAG(Computer Aided Gauging)を確立する必要がある。 そこで三次元測定機を用いた自動測定およびその統合化に関する問題点のうち1.形状評価法,2.測定作業計画の自動化,3.プローブの改良,4.被測定物の位置・姿勢認識手法について研究を行い、以下の成果を得た。 1.三次元測定機から得られる被測定物上の離散的な座標値を用いた、三次元形状自動測定に適した形状評価法を提案した。 2.三次元測定機による測定を行う際の測定者の意志決定行為を自動化したシステムを作成した。 3.半導体レーザの帰還光効果を利用した距離測定に関する実験を行い、これが三次元測定機の非接触プローブに応用可能であることを示した。 4.設計データに基づいて被測定物の位置,姿勢を認識する手法を示した。 今後は、測定作業計画,実行,形状評価システムの統括化,プローブ制御手法等について研究を進めていきたい。
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