研究課題/領域番号 |
60460099
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 陵二 東北大, 工学部, 教授 (70006170)
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研究分担者 |
新井 隆景 東北大学, 工学部, 助手 (10175945)
渡辺 喬 岩手大学, 工学部, 助教授 (10003865)
大宮司 久明 東北大学, 工学部, 教授 (70005239)
伊藤 英覚 東北大学, 高速力学研究所, 教授 (90006164)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 境界層 / 乱流 / 回転体 / 遷移 / 安定性理論 / らせん渦 / テイラー渦 / はく離 |
研究概要 |
回転軸対称体における境界層の乱流遷移の機構を詳細に究明することは、ターボ機械の内部流動や飛しょう体周りの流れなどにおける複雑な三次元境界層の乱流遷移にかかわる基本的特性を把握するために重要である。 本研究では、回転軸対称体に沿う境界層の乱流遷移に関し、遷移の発生条件および遷移領域内に生ずるらせん渦の挙動が回転軸対称体の形状によっていかに変化するかを調べ、また主流乱れが遷移の発生条件に及ぼす影響を明らかにした。さらに、回転軸対称体の三次元境界層に対する安定性理論ならびに回転円板境界層に対する空間増幅形安定性理論を取扱い、数値計算を行って実験結果と比較検討した。それらの結果を要約すると次のとおりとなる。 供試軸対称体における境界層の詳細な乱流遷移過程および遷移領域に発生するらせん渦群の構造を可視化写真によって示し、回転軸対称体の形状による相異を明らかにした。回転円すい体の場合、全頂角が変化しても、遷移領域の発生条件は局所レイノルズ数と回転速度比の関係で表わすことができる。回転円すい体境界層内のらせん渦は回転している円すい体表面に相対的に固定した状態で発生し、成長する。これは回転円板境界層内に発生するらせん渦と同様である。主流乱れの大きさが広範囲に変化しても遷移点は影響を受けないが、臨界点は主流乱れの影響を受けやすい。安定性理論は遷移領域に発生するらせん渦の構造について実験とよく一致する結果を与える。一様流中の回転球に沿う境界層は回転の影響が大きい場合、層流はく離する以前に不安定となり、らせん渦の発生,成長,崩壊の過程を経て乱流に遷移し、その後乱流はく離が発生する。境界層が層流はく離形から乱流はく離形に移行する条件は、主流速度と球の直径に基づくレイノルズ数と回転速度比の関係で表わすことができる。
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