研究課題/領域番号 |
60460104
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
|
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
新見 英幸 循病セ, その他, 研究員 (50026134)
|
研究分担者 |
山口 三郎 国立循環器病センター, 脈管生理部, 室員 (00182436)
高谷 節雄 国立循環器病センター, 生体工学部, 室長 (40154786)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
|
キーワード | 赤血球傷害 / ずり応力 / 変形運動 / 人工臓器 / 溶血 / ずり流れ / 顕微鏡観察 / 材料疲労 |
研究概要 |
本研究の目的は、ずり流れに於ける赤血球の変形運動や応力状態をミクロ的に観察分析を行い、また赤血球細胞の機械的傷害のメカニズムを解明し、最終的に人工臓器の開発設計などに役立てることにあった。この目的達成の為、赤血球がずり流れ場でどの様に運動するか、また流れの強いずり応力を受けた際にどの様に変形し破壊に至るかを顕微鏡下で直接に観察することを試みた。赤血球細胞の変形運動は決して定常的ではなく常に高速度で変動するので、その観察分析は通常の方法では難しい。そこでCounter-Rotat-ingする流れの装置に顕微鏡ストロボ装置などを考按し、強いずり流れ場に於ける赤血球の変形運動を観察した。解析に際しては、赤血球細胞の形状を強調するなど動画像を可能な限り解明にする工夫をおこなった。赤血球細胞の変形や破壊はその受ける応力の値によると考えられるので、ずり速度と媒質の粘性の両方を変えることから調べた。 強いずり流れ場でみられた赤血球細胞の破壊を赤血球膜の局所的な伸び縮みによる"材料疲労"の観点から調べた。すなわち、赤血球膜を薄い殻(弾性)と考え、これに働く応力を計算し、その時間変化を調べた。その結果、赤血球膜の破壊は"金属疲労"とある相似性が成立していることがわかった。これらを実際の人工臓器で起こる溶血と比較すると、その一部はこの概念が密接に関連する場合もあることが判明した。 生体細胞の機能傷害に力学的因子、とくに"応力が"重要な役割を果している一つの例としても注目される。
|