研究課題/領域番号 |
60460108
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 宏明 東大, 工学部, 教授 (00010786)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 対流熱伝達 / 複合対流 / 共存対流 / 層流化 / 垂直円管 / 上向流 / 乱流モデル / 温度助走区間 |
研究概要 |
強制対流と自然対流が複合して発生していると思われる場合に、そのいずれが支配的であるか、また熱伝達率がいくらになるかを予測する必要がしばしば生じる。この研究では、実用上はもちろん理論的にも興味深い一様加熱された鉛直円管内の上向流の場合を取り上げた。 実験には窒素ガスを用いて、その圧力を大気圧から50気圧の範囲で変えることによってグラスホフ数を4桁にわたって変化させた。先ず、下流の十分発達した部分に着目し、レイノルズ数を一定に保ってグラスホフ数を0から次第に増していくと、共存対流域で熱伝達率が一旦低下し、その後回複する。このような実験結果より、強制・共存・自然対流域を分け、レイノルズ数対グラスホフ数平面上に伝熱様式マップを作成した。また、ホットワイヤの出力計測から、レイノルズ数3000のときちょうど共存対流域で流れが層流に復することを実測した。次に、十分発達した等温流を初期条件とした温度助走区間における実験により、ちょうど共存対流となる場合には局所的に熱伝達率が低下し流れ方向に壁温が波打つという現象が確認され、その流れ方向位置が定量的に把握された。 上述の問題に二方程式乱流モデルを適用して予測計算を行った。予測された伝熱様式マップ,各様式における熱伝達率は実験結果と良い一致を示した。また、流れ方向の変化を追った計算では実験と同様に局所的な熱伝達率の低下が予測され、熱伝達率最低点のすぐ下流を除き、定量的にも実験結果と良く合う熱伝達率の変化が予測された。 乱流の共存対流下では、浮力の影響によって壁面の極近傍でせん断応力が急減するために乱流エネルギーの生成が抑えられる。このために乱流エネルギーが減少し、熱伝達率の低下を招くことが明らかとなった。同様の機構で場合によっては完全な層流化に至る。
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