研究課題/領域番号 |
60460113
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
日野 太郎 東京工大, 工学部, 教授 (50016309)
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研究分担者 |
串田 正人 東京工業大学, 工学部, 助手 (70177989)
岩本 光正 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40143664)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1985年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 熱刺激測定 / キャリヤトラップ / トラップ極性判定 / 空間電荷 / トリー発生電圧 / トリー破壊電圧の予測 |
研究概要 |
昭和61年度では 1.γ線照射などによるトラップの極性の研究 2.トリー破壊の実測との比較 の2つのテーマで研究を行なった。 第1のテーマについては、0.1mmの厚さの低密度ポリエチレンを試料としてこれに【Co^(60)】のγ線を照射してトラップに電子を注入し、極性を判定した。この測定では1回の昇温過程でトラップの極性を判定せねばならず、昇温中にコレクティング電圧の正負をくりかえして反転する新しい測定技術を開発して実験を成功させた。さらにこの測定法の妥当性を確かめるために熱刺激電流の解析を行なった。その結果、コレクティング電圧は2V以下つまり200V/cm以下の電界のときに極性判定が可能で、それ以上では判別がつかないことなど、この測定法の条件などを明らかにした。測定の結果、低密度ポリエチレンでは電子トラップの存在が支配的であるとの結論に達した。このトラップ極性の判定の技術はほとんど本研究で完結し、今後諸種の材料に適用できると考えられる。 第2のテーマについては、完了とまでは行かなかったが十分の見通しがつく域に達した。すなわち、電力ケーブルの絶縁に用いられているXLPEを試料として実験した結果、従来疑問視されていた交流電圧印加による空間電荷の蓄積が確かめられ、針電極先端の電界の空間電荷による歪みが概略的に計算され、これがトリー発生電圧とほぼ対応していることが明らかとなった。今後の問題は、熱刺激測定によって求められる空間電荷量から針電極先端の電界の歪みを、より正確に評価することであり、これを求める理論解析の原理も見出しているので、やがて熱刺激測定によってトリー発生電圧を予測し、試験法としてまとまる時も近いと考えられる。
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