配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
本研究は, 電力系統側から見た交流, 直流の整合性に主眼を置き, 特に公直変換器の運転条件変化等による非定常的な高調波の発生について, 理論, 実験の両面から基礎的な検討を行った. 本研究の得られた成果を以下に記す. (1)同期機-6パルス交直変換器のモデル装置およびディジタル計測システムを製作し, FFTによる高調波解析をリアルタイムで行えるようにした. (2)6パネル整流器を例として, 交流側にどの様な高調波が発生するか, 計算機シミュレーションおよび実験の両面から検討した. その結果, 交直変換装置に不平衡電圧が入力された場合または変換装置の制御に不揃いがある場合などは, 非理論高調波が発生することが確認された. 不平衡電圧は, 整流器の出力には, ほとんど影響がないが, 非理論高調波の発生を考慮し, その使用者は十分に注意する必要がある. (3)同期機-サイクロコンバータモデルにより, 電力系統に流入する歪み波電流が相互に及ぼしあう影響について検討した. その結果, 電力系統に不平衡または波形歪みが存在する場合には, サイクロコンバータは平衡3相正弦波端子電圧に対し, 電圧側より流入する歪み電流波形より求めた等価な調波電流源群で置き換えることはできず, 様々な電力系統の環境によってその発生する歪み波は影響を受けることが明らかになった. 従って, 系統要素の群細なモデルにより, サイクロコンバータの波形歪み特性と電源側系統の応答特性が, 相互にどのように影響し合うかを考慮した群細な解析が必要である. (4)同期機と同程度の容量の交直変換器から発生する高調波が小規模電力システムに与える影響について定量的な検討を行った. その結果, 交直変換器の容量が大きい場合にはかなりの高調波が発生するが, 簡単なフィルターを設置することにより高調波の低減が達成できることが確認された.
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