研究概要 |
1.MOCVD法によってシリコン基板上にGaP, GaP/GaAsP歪超格子, GaAsP/GaAs歪超格子を中間層としてGaAsとGaAsPを成長する技術を開発した. シリコン上GaAsの上にAlGaAs/GaAsダブルヘテロ構造及び量子井戸レーザを作製した. レーザは世界で初めて室温でパルス発振に成功し, 最小の閾値電流は110mAであった. シリコン上に成長したGaAsPにPn接合を作り赤色発光ダイオードを作製した. シリコン上GaAsの転移密度はおよそ 1×10^6cm^<-2>である. シリコン上に燐化インジウム(InP)を成長するための中間層の構造を検討し, GaP, InGaP/GaP歪超格子, InP/InGaP歪超格子が最適であることがわかった. プラズマMOCVD法によって, InP上, 又Si上にInPの結晶成長を開始した. 2.LPE法によってGaAsP基板上にInGaAsPを結晶成長し, 結晶成長条件と成長層の特性を明らかにした. また, GaAsP基板上にInGaAsP可視光半導体レーザを作製し, 波長650nmで室温パルス発振に成功した. その閾値電流はこの波長帯では最小のものである. InP基板上にInPの結晶成長を行った. 3.MOCVD法によってシリコン基板上に成長したGaAsPの上にLPE法によってInGaAsPの結晶成長を行なった. しかし, GaAsPの転位密度がGaAsP基板と比較して多いことや, GaAsPの膜厚が薄いこと等の理由により良い結晶が得られなかった. GaAsPの転位密度を減少することによってLPE成長も可能になると思われるので, 今後, 中間層の構造の最適化を行い, 転位密度を下げることによってGaAsP基板と同等なGaAsPをシリコン上に作製することが重要であると思われる.
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